小さくても生意気です。
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無事に帰宅したオレと姫川は夕飯を食べていた。
今日の献立は豚汁と豚の生姜焼き。
姫川は小さいから、オレと合わせて一人分で十分だ。
「それで?」
「ああ、おまえっぽい人形買ってこさせた」
「城山、公開処刑だな」
確かに、それを買う城山を想像すると哀れに思う。
「あのままあのコのリカちゃんになるよかマシだろ」
「う…っ、確かに…」
姫川が連れ去られた時のことだ。
戦場に赴くオレを見送ったあと、姫川はジーンとしていたらしい。
普段一緒に買い物に行くことはないが、こんな熾烈な戦いを繰り広げていたとは。
どうりで、買い物に行ってはボロボロになって帰ってくるわけだ。
てっきり不良に絡まれていたものだとばかり。
などと、ズレた感動を覚えていると、姫川は急に体をつかまれ、人形のフリをしているとそのまま外へと連れ去られ、あんなカッコにさせられたらしい。
脱がした時点で気付けよ、子ども。
「心配させやがって…」
「ふーん…、心配してくれたんだ?」
「……………」
食べ終わったあとは牛乳を飲ませてから例の体操。
んばっ、んばっ、んばっ。
オレはその間笑いを堪えていた。
今日はよく笑う日だ。
「笑うなっ。これけっこうキツいんだぞ!」
半分までいったところで姫川は汗だくだった。
オレはガーゼで汗を拭いてやりながら「がんばれよー、あと50」と応援する。
しかし、200、300やっても姫川が元に戻る気配はない。
姫川が倒れたところでオレはリダイヤルボタンで男鹿の家に電話し、男鹿嫁と話す。
「あとは寝るだけだ。目を覚ませば元に戻ってるはずだ」
「「先に言えよ!!」」
オレと姫川は同時に怒鳴る。
あとは寝るだけなら安心だ。
その前にその汗だくの体でベッドに入られるのは困る。
オレはおわんを取ってきて、その中にヤカンで沸かした湯を入れた。
温度は指先を入れても大丈夫な熱さ。
「あ―――…」
気持ち良さそうで羨ましい。
「おい神崎(笑)」
「なんだい父さん(笑)」
そんなネタをかまして笑い、オレも風呂に入ってからベッドへ。
潰してしまうかもしれないのに、姫川はオレの隣で就寝した。
よほど疲れたのだろう。
ツンツンと指先で頬をつついてみると、姫川は「うーん」と眉をひそめた。
正直ちょっともったいない気がするが、また今日みたいなトラブルがあったらオレの身がもたない。
「…おやすみ」
*****
次の日、オレは目を覚まし、先に起きた姫川と目を合わせた。
「「……………」」
姫川が、真っ裸の巨人になっている。
「神崎が…ちっちゃい…」
「は!?」
オレ自身も真っ裸だった。
シーツかと思ってたのはオレのパジャマか。
「夢だったけど、夢じゃなったー」
棒読み気味に姫川が言う。
しかし表情は嬉しげだ。
「ちょっと待て! 今度はなんでオレがちっちゃくなってんだ!!?」
「オレに聞かれても…」
「どうなって…、はうっ!」
いきなり姫川に指先で弾かれ、転がった。
「なにす…」
すると、今度は指先で頬を何度もツンツンとプッシングされる。
「うぁぁぁあぁ」
「柔らかっ! スゲー、プニプニする…」
「やめろ姫川ぁ!」
「そう、すべては序章に過ぎなかった!」
「突然どうした!?」
「ミニマムになってしまった神崎! 果たして、彼は元に戻ることができるのか!」
「おいなに予告みたいになってんだ!」
「次回!! ミニ神崎活躍! 小さくても生意気です。パート2!!」
「まだ続くのか!!? 続かせねーよ!!?」
「今日は学校だったな、神崎…」
「フラグ立てるなあああああ!!!」
…続く?
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