小さくても生意気です。
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オレの中ではあり得なかったこと。
姫川と付き合ったこと、姫川とキスしたこと、姫川と口では言えないあれやこれやな大人の関係になったこと。
もうこれ以上はないと思っていた。
少なくとも、姫川のことでこれ以上驚くことはないだろうと。
なのに、朝起きてこの唐突さはなんだ。
「……………」
オレは今、数十分ほど絶句していた。
当たり前だ。
隣で寝ていたはずの姫川が、ハムスターサイズになって呑気に寝息を立てていたのだから。
最初、「もう朝だぞ」と寝惚けた頭のまま隣の奴に触れて肩を揺すろうとした。
だが、そこにあったのはパジャマだけで、中身はなかった。
もう起きたのかと思ってオレも起きようとしたが、そこでパジャマに小さな膨らみがあることに気付き、めくってみると、ちゃんと中身があったことが確認できた。
「……え――――…?」
ようやく発せられた声が、情けないことにそれだけだ。
まだオレは夢の中かと頬をつねってみたが、痛みの先にもそいつは小さくなったままそこにいた。
「ひ…、姫川さーん」
試しに頬をツンツンと指先でつついてみる。
すると、そいつは眉間に皺を寄せて目を擦り、ゆっくりと身を起こした。
やっぱり人形じゃなかったか。
「なんだ…、もう朝か……………」
オレと目を合わせた姫川はフリーズする。
無理もない。
オレもさっきまできっとこんな顔をしていたのだろう。
「神崎デケェェェェ!!!」
オレより早く我に返ったようだ。
「おまえが小さくなってんだよ!!」
本人も起きたことで、オレはやっと喉まで出かかったツッコミを吐きだせた。
姫川は素っ裸の自分の体と、大きな自分のパジャマを見てパニックになる。
「おあああああああ!!!?」
本人は全力で叫んでいるようだが、オレの耳には「ぉぁぁぁぁぁぁ」と聞こえる。
なるほど、やっぱり小さいと声も小さくなるのか。
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