これでも惚れ込んでます。
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学校に戻った神崎と姫川は、まだ教室にいたアランドロンにどういうことかと問い詰める。
「いつもの神崎だぞ」
「どういうことだオッサン。まさか、失敗作だったんじゃ…」
「いえいえ…」
アランドロンはどこから出したのか、紙コップとお茶が入ったペットボトルを取り出した。
最初に神崎の机に紙コップを置き、ペットボトルのキャップを開けてお茶を紙コップのなみなみまで注いだ。
「つまり…」
アランドロンはそう言ってまたお茶を注ぐ。
当然、満杯だったコップからお茶が溢れてしまう。
「こういうわけなのですよ」
「「さっぱりわかんねーよ!!」」
「人の机ビシャビシャにしといて、なんだそのやりきった顔は!? 殴ってほしいってか!!?」
「ナメてる? なあ、オレ達のことナメてんだろてめぇ!!?」
声を荒げる2人に「ひっ」と怯えるアランドロン。
改めて説明すると、こういうことだ。
「先程の満杯のコップが姫川殿に対する神崎殿の元々の気持ちだとしましょう。つまり…、ただでさえいっぱいなのに惚れ薬を投与しても溢れてしまい、これ以上はいっぱいにはならない、ということです」
神崎は首を傾げたが、姫川は意味が通じたようだ。
「こいつは元からオレに想い溢れるほど惚れ込んでいるから、惚れ薬使っても無意味ってことだな」
「そういうことです。何事にも器には限界があるもの…」
「は!? 意味わかんねーよ!!」
「まあまあ」
さっきとは違い、意味を理解した姫川は気味が悪いほどご機嫌だ。
神崎を引き寄せ、顔を近づける。
「こちらも無意味だろーが、キッスしとくか?」
「バッ…」
姫川の唇が近づいたとき、2人は溢れ出る殺気を感じ取った。
「姫ちゃん…、そろそろオレもキレるよ? なにかオレ達に言いたいことは?」
席でずっとそれを眺めていた夏目が、随分とドスの利いた声で呟くように言った。
「か…、勝手に神崎持ち出してごめんなさい…」
.END