リクエスト:それぞれの幸せを語りましょう。
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【CASE:ヘタレ崎】
部屋の掃除も終わらせ、ダイニングのソファーで仰向けにうたた寝していた時のことだ。
ドアが開かれる音に脳が起こされ、ヘタレ崎は鬼畜崎が帰宅したことをぼんやりと理解する。
(あ、帰ってきた…)
鬼畜姫は寝ているヘタレ崎に気付き、ゆっくりとした足取りでソファーに近づいて立ち止まった。
床の足音と気配でそれを察知したヘタレ崎は目を開けようとしたが、隣に鬼畜姫が座ったことで思いとどまる。
起こそうとする様子もなく、寝ている自分に何をする気なのかと期待していると、鬼畜姫はそっとヘタレ崎の頭を持ち上げ、自分の膝に載せた。
(え…)
突然の膝枕にヘタレ崎は目を開けそうになる。
(なに、ちょ、ホントに姫川!?)
しかし、匂いは同じ柔軟剤だ。
鬼畜姫はヘタレ崎が大きく動揺しているとは知らず、ヘタレ崎の短い髪の毛先をいじったり、アゴを指先で撫でたり、頭を撫でたりした。
鬼畜姫ならば寝込みを襲ってもおかしくないのに。
らしくない行動に顔を確認したい気持ちが疼く。
「……起きねえな」
落ちてきたその声は、確かに鬼畜姫の声だ。
ふにふにとヘタレ崎の頬をつまんで柔らかく揉み、可愛がるように額を撫で付けた。
いくら待っても、ヘタレ崎の目が覚めるまで身体に触れてやらしいことはしてこない。
その優しい仕草に、自分が寝ている時はこうされているのかと思うと、たまらず、照れのあまり頬を紅潮させる。
(姫川…)
意外な相方の一面にヘタレ崎はしばらくなされるがままになっていた。
*****
「普段はオレ様でエロいこと要求してくるクセに、人が意識ない間は優しく愛でてくれるところとか…、オレが知らない姫川(鬼畜)が見れた。えへへ…」
「エヘヘ言うな」
満面の笑みを浮かべるヘタレ崎に神崎は距離を取った。
素直崎は「なんかムカつく」と頬を膨らませ、ヘタレ崎の頬を引っ張る。
「してくれる側もいいけどよ~」
そこで言い出したのは、テーブルにアゴを載せた食い気崎だ。
うつらうつらしているが、視線はこちらに向けられていた。
「してやれる側もいいぞ~」
少しの間意識を失っていたため、口端のヨダレを袖で拭く。
「じゃあ、シメは任せた」
素直崎はスプーンの先端を向け、催促する。
「うん。あ、ヨーグルッチ割りも頼んどいて」
「そんなメニューはねえから」
真面目崎がつっこむ。
「えー…、なら…、モッコリ…。あとで…、ヨーグルッチ…入れる」
「マッコリだ。自作のヨーグルッチ割り作るな」
次に神崎がつっこんだ。
「いいから早く喋れよ無力崎」
ビール瓶で頭をつつく強気崎。
「ん~…オレがカジノスタッフで働いて…」
こちらも呂律はまわらないがゆっくりと語りだした。
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