リクエスト:天使はちっちゃくても天使です。
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午後15時頃、神崎は4歳、古市は2歳になった。
「パ…」
「もういいっ!!」
花澤が騒ぎ出す前に神崎はクロスチョップを食らわせ黙らせた。
「そしておまえらぁ!! 無言で連写してんじゃねーよ!!」
「あうあーっ(あと1時間でオレがタイムアップなんですよっ)」
「ベル坊と同じ年か」
「アウダ」
「…古市も丸裸に…」
「だーっ(ならねえよっ)!!」
腕を振って袖を男鹿の顔面に叩きつける。
「服もすっかりぶっかぶかだな」
神崎は両腕を広げ、肩からずり落ちそうになるシャツを気にする。
下着はサイズが合わず、折り畳まれたズボンと一緒に机に置かれていた。
なので、気を抜いていたら丸裸が晒されてしまう。
そのことに悩んで顔をしかめていると、姫川は肩をつついて振り向かせた。
「蓮井に持ってきてもらった」
取り出したのは、幼児用の服だ。
上着のフードにはネコミミと尻尾がついてある。
「用意がいいっ!!」
相方には着替えさせず、ロッカーで着替えて出てきた古市と神崎。
古市は白猫、神崎はトラ猫の服だ。
再び石矢魔生に取り囲まれて無言で写メを撮られてしまう。
「いい加減にしろ!! 怖ぇんだよっ!!」
「あうー…(こんな時だけモテモテのオレ…)」
「二葉ちんと並べたいっス!」
「古市、オレの左肩空いてるぞ」
「だうっ(載せるなぁっ)」
(あ、でも落ち着く…)
意外と居心地が良い男鹿の肩。
「あ、そうだっ」
そこで花澤は両手を叩き、自分の学生カバンをカラにして持ってきた。
そこに古市と神崎を入れて肩に提げる。
「手提げチビっ子ズ」
「グッジョブ花澤!!」
「そのままお持ち帰りしたいっ!!」
男鹿と姫川は膝から崩れ落ちてその場で悶える。
「ペットじゃねえぞコラァッ!!!」
「あう…(完全に面白がってる)」
カバンから出た神崎は「もう怒ったぞこんにゃろー共!!」と怒りのままに怒鳴った。
「チビだからってバカにしてんじゃねーぞ!! てめーら元に戻ったら順番にかかとおとし食らわせてやっからな!! 動画撮んじゃねええええっ!!!」
怒っていても可愛いものは可愛いのだ。
子猫が毛を逆立たせて威嚇しているようにしか見えない。
「食らえやぁ―――っ!!」
神崎は傍にいる姫川に殴りかかったが、
「くんのぉぉぉぉっ」
頭を押さえられ、ぐるぐると腕を振り回すがリーチが短すぎて届かない。
「…っ!!」
萌えという名の打撃が姫川を襲う。
「…ひめかわなんて知らねぇっ!!」
神崎は泣きながら古市の手をとって一緒に教室のドアへと走る。
「あ、にげた」
男鹿達はそれを追いかけようとするが、神崎達が出る前にバイト帰りの東条が入ってくる。
「はー、すっかり遅れちまった」
「あうあっ(大遅刻だよっ)!!」
「なにしにきたんだおまえ」
「!」
足下のつっこみに気付いて見下ろすと、手を繋ぎ、ネコ耳フードを被ったちびっ子2人と目が合った。
「………ゴフッ!!」
「「「「「瞬殺だ―――っ!!」」」」」
まさにMK5並みの瞬殺だった。
東条は至福の顔で血を吐いたまま扉の前に倒れる。
「おいっ!! そこで倒れんな!! 通れねえだろっ!!」
チビっ子2人はあっさりと相方に捕まった。
「悪かったって。もうバカにしたりしねーから。な? 神崎」
神崎を抱っこした姫川は、「調子に乗って悪かったな」と素直に謝る。
「しょ…、しょーがねーから…、ヨーグルッチで許してやる」
「まだ飲むのか。育ちざかりさんめ」
「古市も。こんな機会そうはねーんだから、たっぷり可愛がってもいいだろ? オレの知らない昔の古市を」
「……こっちのオレがいいなんて言いだすなよ」
「全部好きだけど?」
「っ!」
真っ赤な顔を見られるのが恥ずかしくて、古市は押し黙ったまま男鹿の胸に顔を埋め、ぐりぐりと額を押し付けた。
((オレのヨメ超カワイイ…っ!!))
2人とも真顔だが、
「見える…」
「親バカと恋人バカの胸の内が…」
周りの石矢魔生にはお見通しだった。
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