小さな話でございます。
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「今日バレンタインだっけ?」
「あ?」
神崎の机には大量のポッキーニの箱が積み上げられていた。
神崎はイチゴ味のポッキーニを咥えながら、目の前の空き箱や中身の入った箱でトランプのように城を作っていた。
教室に入った姫川は異様な光景に声をかけずにはいられなかった。
「貢ぎもんだ。今日は11月11日でポッキーニの日だから、城山やパー子その他モブ共から大量にもらったんだよ。ガキだよなぁ、あいつらも」
呆れつつ、しっかりと何箱か食べている。
甘いものが苦手な姫川にとっては見ているだけで胸焼けを覚えた。
「……食うか?」
「食う」
だが、神崎からの頂き物なら砂糖の塊でも受け取る。
「何味がいい? チョコとミルクとイチゴと抹茶…」
「んじゃあ、イチゴで」
「イチゴとか似合わねえな」
「そんな気分なんだよ」
「イチゴ、イチゴ、イチゴ…。あれ? イチゴどれだっけ…。全部食ったか?」
積み上げられた箱からイチゴ味の箱を探すが見つからない。
「あー、これでいいや」
ぱく、と神崎が咥えていたポッキーニを咥えて食べる。
同時に神崎の動揺で箱の城が倒壊した。
*****
「姫ちゃんモッテモテだねー」
「……おう…」
姫川はリーゼントに大量のポッキーニを、生け花のように芸術的に刺されていた。
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