リクエスト:家族の時間。
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家に来ないか、と恋人である神崎に声をかけたところ、1時間後、神崎がコブを連れてマンションを訪れた。
玄関でそのツーショットを見た姫川はドア枠に額を当て、「聞いてないんですけど…」と隠すことなくぼやく。
「そういう顔すると思ったけどよ…」
神崎はため息をついて呟くように言った。
「よっ。来てやったぞ」
二葉は気にすることなく、手を上げて挨拶をする。
「しばらく多忙でこっちに来れないって言うから、我慢して我慢して…、ようやく家に来てくれたかと思ったら、コブつきって…。ここ数週間おあずけ食らったオレの気持ちわかるか。ガキがいる状態でどうやってイチャつけと…? オレだってガキの目の前でてめーを組み敷くほど神経図太いわけじゃ…」
「あ゛―――ッ、しょうがねえだろ! ぶちぶち言い連ねるなら帰るぞ!とりあえず部屋に上げろ」
二葉に気を遣って小声で言う姫川に苛立ちを覚えた神崎は、家の主である姫川を無理やり押し込むように玄関へと上がった。
ダイニングに到着すると、姫川は冷蔵庫からヨーグルッチを取り出し、テーブルの席に座る2人に手渡す。
早速並んでヨーグルッチを飲みだす2人に、向かい側に着席した姫川は頬杖をつきながら神崎に尋ねた。
「多忙って…、まさか、そいつのお守りで…じゃねーだろな?」
二葉が神崎の家に預けられるのはよくあることだった。
だが、姫川の家に行くときは、二葉の世話を武玄に任せて出かけたことがある。
「……そうだよ」
頷く神崎の顔をよく見ると、育児疲れなのか、目の下にクマが見当たり、顔色も優れず、少しやつれたように見える。
この状態で他校の不良から喧嘩を売られたら勝てるのだろうか。
心配になったが、神崎の背後の2人を思い出して、まあ大丈夫だろ、と勝手に安堵する。
「いつもみたいに親父さん達に面倒見てもらえば…」
「向こうだって仕事が忙しいんだ。アレでも組長だしな…。…それに、兄貴も出張とかで家空けてるし…、嫁さんは2人目の妊娠で入院中」
「………おめでとさん」
2人目の甥っ子か姪っ子が増えるとなると、神崎の気苦労も増えるだろう。
振り回される神崎を想像した姫川は苦笑しながらも、素直に祝いの言葉を贈った。
「おう。だから、こいつの面倒を見れるのはオレだけってことだ」
すぐ横にいる二葉の頭を撫でると、大好物のヨーグルッチに夢中になっていた二葉はストローを咥えたまま不思議そうな眼差しで見上げる。
「周りが落ち着くまで、神崎もお預けってことだな…」
「……てめーの頭蓋骨の中そればっかか。かち割って抜いてやろうか」
脳内だけじゃなく骨までピンク一色かと思ってしまった。
ヨーグルッチを飲み終わった二葉は幸福感で満たされたあと、すぐに2人に要求する。
「一っ、フランスパンっ、二葉様と遊べ!!」
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