リクエスト:お見合いです。×4!
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1日目はこうなった。
3003号室は、素直崎と成金姫。
3004号室は、強気崎とピュア姫。
3005号室は、食い気崎とへたれ姫。
3006号室は、真面目崎と計算姫。
神崎と姫川は、自分達の部屋にいつの間にか設置されていたモニターからそれを見守ることにする。
姫川がリモコンを操作して映し出した3003号室では、早くも素直崎と成金姫が言い争いをしていた。
「オレは別に金が欲しいわけじゃねえんだよ!」
寄こされた金を叩きつけたのか、床には金が散乱していた。
「愛を金で換えようとしてんじゃねえ!!」
「オレにとっちゃ金がすべてだ! それと神崎以外信用しねえよ! 金こそオレの存在意義だ!!」
「最っ低だな!!」
「おいおいおいおい」
「最悪だ。水と油だった。止めにいくぞ」
いくら神崎と姫川とはいえ、組み合わせが悪かった。
金ではなく愛をとる素直崎と、愛ではなく金をとる成金姫。
自分のその性質は誇りと同じだ。
簡単にねじ曲がるものではない。
「グスッ。姫川ぁ、おまえも金だけがすべてじゃねえよなぁ?」
「神崎、オレは何事も値段をつけなきゃやっていけない姫川だ。…でだ、いくらで本人からオレにきてくれる?」
本人達が出てきてなんとかおさまったが、3003号室はリタイアだ。
素直崎と成金姫は空き室の3007号室と3008号室に移される。
3001号室に疲れた顔で戻ってきた神崎と姫川。
ベッドに腰掛ける神崎は頭を抱える。
「オレ不安になってきた」
「最初はこんなもんだろ。他の連中の様子、見てみようぜ? 案外うまくやってるかも…」
今度は3006号室の真面目崎と計算姫を見ることに。
「オレはてめーのそういうところが気に食わねえ!!」
「相変わらずお堅い奴だな!」
早速喧嘩を勃発させていた。
3006号室がむちゃくちゃだ。
家具は倒れ、ベランダのガラスは割れている。
「常識と非常識コンビだった」
「止めにいくぞ」
喧嘩の理由は至って単純。
「言い寄ったらいきなり殴りかかってきた」
「ったりまえだこのゲス! スキンシップからいきなり間違えんなっ!! なにが「さっさとくっついちゃって一抜けしねえか?」だ!! 軽すぎるわっ!!」
「「落ち着けおまえら」」
自分自身の仲裁に入るのは妙な気分だった。
3006号室もリタイアだ。
2人を別室まで送ったところ、3004号室から強気崎が飛びだしてきた。
「チェンジだ!」
「は!?」
遅れてピュア姫も飛び出してくる。
「待ってくれ、なにが気に入らないんだ!?」
「全部だ!! 甘い言葉で囁いてくるとか、頭撫でてくるとか、優しくしてくるとことか、全部だ!!」
「むしろ好条件じゃねえか?」
姫川がつっこむと、強気崎は「アホ!」と睨んで怒鳴り散らす。
「オレの心臓がもたねえんだよっ!!」
「ああそっち?」
つまりピュア姫の優しさに耐えかねて部屋を飛び出したそうだ。
非常に息苦しかったのか、深呼吸を繰り返している。
心配したピュア姫はその背中を擦ろうとしたが、「触んじゃねえ」と威嚇されてしまう。
「オレ、このカップルはいけると思ったんだけどな」
神崎は意外そうに呟いた。
さて、残るは3005号室の食い気崎とへたれ姫なのだが。
モニターで確認したところ、
「ヨーグルッチ飲むか?」
「んー」
「美味いか?」
「ん」
「オレのこと好き?」
「ん? んー」
ヨーグルッチを飲みながらだらだらとベッドに横になっている食い気崎は「ん」としか発音していない。
へたれ姫はベッドで一緒になろうとはせず、ただただヨーグルッチを献上するだけだ。
「…このカップルもダメだな」
「ああ。へたれが哀れすぎる。あいつどんだけやる気ねーんだよ」
途中でリタイアせずに過ごしたのはこのカップルだけだったが、進展がなかったため、次の日、へたれ姫が半泣きで出てきて神崎に泣きついた。
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