これは何の病ですか?
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目が覚めると、白い天井が目に入った。
見たこともない場所に戸惑い、身を起こそうとした瞬間に身体に痛みが走る。
自分の体を見ると、首にはギプスが巻かれ、体のところどころには包帯が巻かれていた。
遠くから聞こえる救急車の音と、自分の現状と独特な匂いでここが病院だと理解し、同時にここに連れてこられた経緯を思い出してしまった。
そうだ、男鹿にやられたのだと。
最後はどうやってやられたか、記憶が飛んでしまっている。
「ぐ…」
腹の中心に激痛が走り、思わず呻いた。
「こっぴどくやられたようだな」
「!」
横から聞こえた声に振り向くと、よく知った男がそこにいた。
同じ東邦神姫の神崎一だ。
不敵に笑って格好をつけようとしているが、見た目で台無しだ。
頭には包帯が巻かれ、右腕と右足にはギプスをしていた。
「てめー、神崎…」
睨んで、まさか、と嫌な汗が浮かぶ。
「もしかして…、おまえと同室…?」
「お察しの通りだ。誰が運ばれてきたのかと思えば、男鹿にやられてボロッボロにされたおまえだもんな」
左手を自分の口元に当て、プ、と馬鹿にした笑いをする。
「てめー、今の自分の姿、等身大鏡で見てこい」
よりにもよってこいつと同室かよ。
同レベルだと思われちまうだろうが。
「スゲー嫌そうな顔してんじゃねえよ! オレだっててめーと同室なんざまっぴらごめんだよ!!」
オレの心を読んだのか、指をさして怒鳴りちらした。
「だったら部屋変えてもらえ!! ここから出てけ!!」
「出てくのはてめーだボケが!! オレが先客だ誰が出てくかバーカ!!」
言いだしたらきりがない。
どちらも今いる部屋を譲る気は毛頭ない。
こんなことを言い出してしまったから、どちらも意地を張って病室を出て行きにくくなってしまった。
ほら、譲ったら負けた気がするじゃん。
言い合いをしていれば、看護師が注意してくる。
「ちょっと、迷惑だから喧嘩しないの!!」
「「チッ」」
舌打ちして互いにそっぽを向く。
オレのケガからして全治半月。
それまで神崎と同じ部屋で入院生活だ。
そこで頭の良いオレは思いつく。
ちょうどいい。
同室を利用して、こいつの弱みを握ってやる。
そして『東邦神姫』の地位から叩き落としてやるんだ。
オレに弱みをチラつかされてひれ伏す神崎を想像しただけで笑いがこみあげてくる。
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