神と仏、どちらに縋りますか?
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神崎達を乗せた車は未だに都内を走り続けていた。
時刻は午前3時を回り、他の車はあまり見当たらない。
「久々の姫ちゃんとのタッグ、どうだった?」
「夏目、黙ってろ」
後ろから夏目の座席を蹴りつける。
「だって2人とも、なんだかんだ言って満更でもなさそうだし…。神崎君も、いつまでも意地張ってないで、あのこと、許してあげたら?」
その言葉で不意にその時のことを思い出してしまった。
そして湧き上がる怒りと羞恥。
2度と思い出したくはなかった、過去の過ち。
「城山、どこか川か池辺りで止めろ。こいつ沈めてくる」
「痛っ、ちょっとどんな蹴り方してんのさっ」
後ろから何度も背もたれを蹴りつける神崎にたまらず、夏目は前のめりになった。
「城山、ラジオのボリューム上げろ」
これ以上夏目の言葉に耳を傾けたくないのでラジオの音で誤魔化そうとした。
「はい」
城山は運転しながらコントロールパネルに手を伸ばし、言われた通りボリュームを絞る。
「…?」
しかし、聞こえるのは雑音のみ。
山道でもないのに、とチャンネルを変えてみるが、ガガッ、ザー、と聞こえるだけだ。
「変ですね…」
「…!!」
瞬間、冷たい汗が噴き出した。
この感覚は先程味わったばかりだ。
『気をつけろ』
姫川に植え付けられた不安が今になって大きく膨れ上がり、すぐに膝の上に置いた木箱を開けた。
そこに入っていたはずのマリー人形は、いなくなっていた。
「城山ぁ!!」
「え!?」
すぐに運転を止めさせなければ。
しかし、その判断は一足遅かった。
雑音が止まり、流れたのは音楽ではなく、ケータイで聞いたあの声だ。
“きゃははっ。…おにーちゃんたちの、まけ”
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