神と仏、どちらに縋りますか?
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真っ暗闇の中、少女はすすり泣く。
木と、埃っぽい匂いがするだけでここがどこかさえわからず、ヘタに動き回ることもできなかった。
「うぇぇ…っ」
泣いても泣いても、誰も来てくれない。
「ふぇぇ…っ」
ただ、泣き声だけが響き渡る。
しばらくして、カタ…、と何かが動いた音が聞こえ、少女は泣きわめくのをやめた。
誰かが来てくれたのだと思った。
「……誰…?」
少女は涙を埃で汚れた袖で拭い、ゆっくりとそちらに這う。
前方を手探りしながら進んでいると、何か布のようなものに触れた。
「………?」
つかんだのは、古びたフランス人形だ。
ロココ風なピンクでフリルのドレスを身に纏い、茶髪の頭には赤いリボンが結ばれてある。
瞳は綺麗なブルーで、頬は薄く赤い。
ここに人形なんてあっただろうか、と首を傾げる少女。
「おにんぎょさん…?」
不思議そうにペタペタと触り、人形を裏返すと、
「…!」
少女は人魚が微かに震えていることに気付き、驚いて手を放した。
床に落ちてうつ伏せになった人形は今も震えている。
おさまったかと思えば、人形の首がいきなり半回転し、少女を見た。
「ねぇ、あそぼ?」
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