魔王様双六で遊びましょう。
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ボケを倒し、盤上から男鹿の部屋へと飛び出す、神崎、男鹿、古市、姫川。
「あ、戻ってきた!」と邦枝。
「おう、おかえり」と東条。
「見事ゲームをクリアしたようだな。これで貴様らも立派な下僕だ」とヒルダ。
「やかましい!! てめー2度と魔界産のオモチャ持ち込んでくんな!! 命がいくつあっても足りねえよ!!!」
男鹿は怒鳴りつけながら魔王様双六のボードをちゃぶ台のようにひっくり返す。
実際に古市と姫川が死にかけた。
神崎は今もコロッケの毒で死にかけている。
「う~~ん」
「神崎しっかりしろ! 誰か解毒剤持ってこい!! 大丈夫か神崎!!」
腹を抱えて苦しむ神崎を姫川は抱き起こし、迎えを呼ぶために蓮井に電話をかけている。
「待ってろよ、今すぐ病院に…」
すると、神崎は電話をかけている姫川の袖をつかみ、苦しそうに上目づかいで見上げる。
「苦し…っ、姫…川…っ」
「……………」
息遣いも荒く、電話がつながったというのに姫川はしばらくその顔を真顔で見下ろしていた。
「……ああ、蓮井か? いや、消えてたっつーか…。とにかく、男鹿の家まで迎えに来い。マンションに戻る」
「あれ? 病院連れて行かなくていいんですか?」
突然の進路変更に古市が尋ねると、姫川はケータイを耳に当てたまま真顔で答える。
「この状態の(メイド服&弱ってる)神崎をいただかずに病院に連れて行けと?」
(おっとぉ)
古市は、これ以上はなにも言わないぞ、と潔く身を引く。
殴る気力もない神崎は姫川に「死ね…ッ」と苦しげに言っていた。
「で、もしかして私達、この格好で家に帰らないといけないの?」
誰もが燕尾服とメイド服のままだ。
燕尾服はまだしも、メイド服で外には出たくない。
「そうだぞ男鹿! 今何時だと思ってんだ! もう朝の8時だぞ!! 親も絶対起きてるし、こんな格好見られた瞬間絶縁されかけねない!!」
想像しただけでも頭が痛くなる。
妹は間違いなく、同じ屋根の下でも絶対顔も合わせてくれないだろう。
「帰りたいならオレの服を貸してやるよ、古市。邦枝も…。ただし、古市、貸してほしければ………」
無言の部分は不気味な笑みを浮かべている。
「お、男鹿の服…っ!!?」
「男鹿、待て。オレに何させる気だ…!!?」
(アランドロンを呼べばいいではないか…)
ヒルダは思ったが、あえて口にしない。
「ちょっと辰巳、朝からなに騒いで……」
その時、騒ぎを聞きつけて男鹿の母親と美咲が部屋のドアを開けた。
そして、部屋の光景が目に飛び込んだ瞬間、フリーズする。
「……な…にしてんの?」
完全にフリーズした、ドアを開けた母親の代わりに美咲が尋ねた。
男鹿は真顔でひっくり返したボードを指さし、正直に答える。
「……すごろく?」
果たして、信じてくれるだろうか。
.END