12年前、とある大激闘がありました。
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子姫、神崎、姫川、古市と合流したあと、男鹿達は元の時代へ戻るため、時空を越える地点へ向かわなければならない。
子ども姿のアヴァンの手足をロープで結んだあと、遊園地をあとにしようと出入口へと向かった。
「おまえはここに残って保護してもらえ」
神崎はしゃがんで子姫と目線を合わせてそう言った。
「……帰っちまうのか…?」
サングラスがないと感情が豊かになるのか、明らかにしゅんとした顔をされ、神崎は胸が痛んだ。
「えと…」
どう言えばいいのか、と考え、その小さな体を抱きしめる。
「また会える…。絶対だ…」
「絶対…?」
「ああ。絶対。いつかてめーがこいつくらいにデカくなったら…。ムカつきあったり、ケンカし合ったり、バカばっかやったりするけど…、ずっと一緒だから…」
「……………」
「…くっついてんじゃねえよ…」
神崎の背中にしがみつく姫川。
その目には嬉し涙が浮かんでいた。
神崎は頭を押さえて剥がそうとするがビクともしない。
「だって今のプロポーズだろ!?」
「そんな深い意味はねえし!! 気が早ぇんだよっ!!」
「気が早いってことは、本気のプロポーズはもう少し先の話に…」
「あ―――も―――っ!!!」
それが気が早いというのだ。
その頃、男鹿達はさっさと遊園地の外へと出ていた。
「あっさり置いて行かれた」
「マジかよ!!」
男鹿達に置いて行かれるということは、この時代に置いて行かれることを意味していた。
「じゃあ、またな、姫川っ」
神崎は子姫の頭を撫で、姫川とともに男鹿達のあとを追いかけた。
自転車も置き忘れない。
子姫はその背中を見送り、歩きだした。
「!」
その時、子姫は不意になにかを爪先で蹴飛ばした。
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