我ら石矢魔生徒会。
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放課後、聖石矢魔の生徒である、仲代、森、角田は旧校舎の1階の美術室に来ていた。
美術室の奥にある棚を開け、そこから石矢魔の問題用紙を取り出す。
「石矢魔の様子はどうだった?」と角田。
「なんか、例の生徒会がひとりずつ脅して聞きだしてた」と仲代。
「犯人がオレ達とも知らずに…」と森。
嘲笑の笑みを浮かべ、3人はもう一度石矢魔の問題用紙を見る。
「精々、仲間同士で揉めあってろって話だ」
「明日、石矢魔の問題用紙盗まれたって言いふらしてやろうぜ。あの担任もタダじゃ済まねえだろ」
「ククッ。こんな中学生以下の問題盗むとか…っ。なぁ、1枚くらい正門に貼りつけてやろうぜ! こんな問題に苦戦してるの知れ渡ったら爆笑もんだろ」
「「いーねーっ」」
3人は笑いを堪えながらカバンに入りやすいようにとプリントを分け合い、美術室の出入口へと向かう。
そして、ドアを開けた瞬間、フリーズした。
「ど―――も、バカの石矢魔で―――す」
微笑みつつ青筋を立てた男鹿と古市がそこに立っていた。
「「「ひ…!!?」」」
続いて美術室の窓から神崎と姫川が入ってきた。
「てめーらだったのか。オレはちゃんと覚えてるぞ。城山入院させた奴らだろ」
「随分とおしゃべりだな。今の会話、録音させてもらったわ」
姫川の手には、録音モードにしたケータイが握りしめられていた。
「ど…、どうして…」
「そりゃ、目撃者がいたからだ」
男鹿はコブシを鳴らしながら3人組に近づく。
同じく、神崎と姫川も。
囲まれた3人は逃げ場がないため背中合わせになる。
「お…、オレ達を殴るのか!?」
「また退学騒ぎになっても知らねえぞ!」
「そうだ! 教師が黙ってねえよ!!」
すると、ロッカーの奥の隅にあるロッカーの扉が開いた。
「センセーを呼んだぁ?」
出て来たのは、タバコを咥えたまま額に青筋を浮かべている早乙女だ。
「先生いたぁ!!」
「どうりでタバコ臭いと思ったんだ!!」
しかも、先程の会話もバッチリ聞いていた様子だ。
「こいつらどうする? 殴ると確かに問題だぜ?」と姫川。
「土下座」と男鹿。
「面白味がねえだろ。フルチンで土下座なんてどうだ?」と神崎。
「フルチンで校舎を10周したのちのスライディング土下座がいい」と早乙女。
「「「教師の発言じゃねえっ!!!」」」
最悪の言葉つなぎだ。
「それはボクらに任せてもらおか」
美術室に足を踏み入れたのは、聖石矢魔の生徒会長・出馬だ。
全員がそちらに顔を向ける。
「てめー、なんでここに…」
「オレが呼んだ」
男鹿が睨み、姫川が答えた。
神崎は意外そうに姫川を見る。
「まさかキミがルール守るとは思わんかったわ」
「“身内は身内で解決”。無視したほうがあとあと面倒だからな。こいつら如きに…」
「ははっ。せやな。キミがそっちの会長でよかったわ。話もわかるし」
それでも、出馬の目は姫川の目からその腹の中を探ろうとしている。
それは姫川も同じだ。
古市には2人の周りに漂う黒い空気が見えていた。
「その…、オレ達はどうなるんですか?」
「また停学?」
石矢魔の生徒会の罰を受けずに済んで内心ホッとしている角田と森は、出馬に心配そうに尋ねた。
出馬は仏のようにニコリと笑う。
「その前に、2度も石矢魔の人らに迷惑かけたキミらの根性を、ボクが直々に叩き直したるわ」
仏の顔の裏に、般若が見えた。
「「「ひ――――っっっ!!!」」」
学校の怪談に遭遇したように悲鳴をあげる3人は、そのまま出馬に引きずられるように稽古場に連れていかれた。
古市は合掌して見送る。
「これで一件落着。面倒かけたな」
「面倒より、今度からちゃんと鍵かけろ」
男鹿は呆れるように言ったあと、角田達が置いていったカバンから問題用紙を取り出してまとめ、早乙女に手渡した。
その時、男鹿と神崎の口元には邪悪な笑みが貼りついていた。
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