我ら石矢魔生徒会。
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石矢魔生徒の尋問を終えた頃には、すでに昼過ぎだ。
生徒会のメンバーは生徒会室でパンや弁当を食べながら話しあう。
ちなみに東条は尋問が終わると同時にバイトに行ってしまった。
最早、誰も止めるものはいない。
「やっぱ1番は下川の本名だろ」
男鹿はコロッケパンを頬張りながら言う。
そこで、「いやいや」とサンドイッチを咀嚼しながら神崎が首を振りながら言葉を継ぐ。
「あれは精々、ベスト3位くらいだ。オレはMK5の内部秘密を推すぜ」
「バーカ、トップ3にも入らねえよ。オレ、下川やMK5の秘密知ってたし」
高級弁当を食べながら言うのは姫川だ。
「ちょっと待ってください!!!」
弁当を食べ終えて一息ついた古市はタイミングを見計らい、勢いよく立ち上がり、手で制した。
「誰が、石矢魔生徒の秘密ランキングベスト3を選抜しろって言いました!!? 盗まれた問題用紙捜索はどうしたんですか!!?」
「だって誰も口にしなかったじゃねえか」と神崎。
「な? あんだけ絞りとってやったってのに…」と姫川。
「絞りとりすぎて皆さん燃え尽きた廃人ボクサーみたいになってましたよ! 容赦ねーな…」
廊下はまだ石矢魔生徒が転がっていた。
ちなみに、レッドテイルや神崎組は邦枝と神崎が「あいつらは違うだろ」とあっさり言ってのけ、尋問はしていない。
贔屓だ、と古市は石矢魔生徒代表して思った。
「一応持ち物検査もしたけど…、見つからなかったし…。―――というか、テストどころか授業すらまともに受ける気あるのかってくらい、いらないものばかり見つかったわね」
教科書を持ってきていたのは一握りしかいなかった。
「昨日起きたことだからな…。家に隠してんじゃねえか?」
頬杖をついてそう言うのは神崎だ。
「……半分以上の問題用紙をか?」
「………!」
先程の姫川の発言に引っかかりを覚えた古市は挙手し、「ちょっといいですか?」と発言の許可をとった。
「犯人が1人なら、別に問題用紙は1枚だけでよかったんじゃ…。それなら、早乙女先生にバレる可能性は低いですし、オレ達がこうして尋問や持ち物検査に乗りだす事態にならずに済んだはず…」
そもそも、勉強嫌い率120%の石矢魔の中なら、ちょっとその気になれば中の上の点をとることは可能だ。
なのに、わざわざ問題用紙を盗む必要がどこにあるのか。
死んでも100点をとらなければいけない事情があるとしても、とってしまえば一発で犯人がわかってしまうことは考えているのだろうか。
「………いい点に気付いたな、古市。オレも引っかかっていたことだ」
「オレも実は初めからおかしいと思ってたんだ」と男鹿。
「オレはてめーらが気付く前から気付いてたぜ」と神崎。
「そこ2人っ、ウソつかないっ」
石矢魔じゃなければ気付かない事実だ。
「石矢魔の生徒じゃないなら…」
古市が口元に指を当てて考える仕草をすると、姫川はため息をつく。
「聖の奴らか…、教師か…。目撃者でもいねえかぎり、途方もねえな。誰もいない職員室に、カメラくらい仕掛けてろってんだ」
「目撃者…。職員室…」
反芻する男鹿の脳裏に、思い当たる人物がよぎった。
「あ。いるわ、ひとり」
「「「「マジ!!?」」」」
男鹿を除き、全員が食いついた。
「うーん…。あいつかぁ…」
思い当たったのはいいが、それを表現する能力を向こうが持っているかだ。
男鹿と古市は生徒会室を出て、早乙女と落ち合い、職員室へと出向いた。
「そういえばこいつを忘れてたな」
早乙女が自分の机の下から引っ張り出したのは、ブラックベル坊だ。
呪いの言葉とともに、挨拶しているのか手をあげた。
ベル坊も手をあげて挨拶を返す。
簡単にわかりやすく古市から事情を聞いたブラックベル坊は、早乙女から手渡されたスケッチブックとクレヨンを手に、金庫から問題用紙を盗み出した犯人像を描く。
「「「……………」」」
出来あがりを見て3人は絶句した。
「クレヨンで浮世絵風に描いてみせたぞこいつ!;」
それを見た古市はつっこむ。
「あ…」
特徴から、見覚えがある3人組だ。
「誰だこいつら? 古市、知ってんのか?」
「言うと思ったよっ。こいつらは…―――」
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