我ら石矢魔生徒会。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次の日、早乙女にも協力してもらい、石矢魔の生徒がひとりずつ生徒会室に呼ばれることになった。
メンバー全員はひとりめがくるのを待っていた。
今回は東条も一緒だ。
なぜか教卓の前の椅子に座らされている。
「つまりは…、どういうことだ?」
「また一から説明すんの面倒だな…。つまり、明日のテストの問題用紙が盗まれたから、ひとりひとり尋問していくって話だ」
姫川は東条の前に立って再度説明する。
「明日テストだったのか!」
「知らなかったの!?」
邦枝はつっこむが、実は男鹿と神崎も昨日までテストのことをすっかり忘れていた。
「てめーにご丁寧な尋問は期待してねえ。ただそこに座っててくれればいい。そうだな…。これから来る奴ら全員、おまえのお気に入りのテディベアを盗んだ犯人だと思ってくれれば…」
「オレのクマちゃんを…!!?」
早くも殺気立つ東条に、姫川は手で制す。
「思い込めってことだ! 本当に殺しにかかるなよ!?」
迫力は満点だ。
嘘をついた時点で息の根を止められると察してしまうほどだ。
最初のひとりは、なにを基準にしてかグッドナイト下川だ。
「グッナ……」
生徒会室に足を踏み入れた瞬間、下川は部屋の空気に心臓を握りしめられる感覚を覚えた。
男鹿と東邦神姫が一斉に睨まれ委縮する。
「え…と…」
「まあ座れや」
神崎がアゴで指すと、下川は机に囲まれた椅子へとゆっくりと近づいて座る。
目の前には東条が腕を組んでこちらを睨んでいる。
なにか恨みを買うことをしたかと目を逸らしながら思い当たる節を捜す。
(ボク、なにか悪いことしたのかな…)
(オレのクマちゃんを…!!)
「単刀直入に聞くぞ。てめえ、なにか隠してることがあるだろ?」
男鹿が睨みながら尋ねるので、下川は「へ!?」と甲高い声を出す。
「吐けよ。楽になるぜ?」
続いて神崎もタバコ代わりのヨーグルッチを飲みながら、刑事のようなことを言いだす。
「今なら…、罪は軽くなるわよ?」
「葵ちゃんまで!?」
「オレのクマちゃんどこやったんだ? おうコラ」
「なんの話!?」
「そっちの話は気にすんな」
姫川はそう言ってから、「早く帰りたかったら隠してること全部吐け」と言葉を継ぐ。
(酷い取り調べ室だな…)
男鹿の隣の席から傍観している古市は下川に同情した。
「わ、わかったよ…。隠してること…話すよ…」
ほう、と全員の身に纏う空気が落ち着く。
「グッドナイト下川…。その本名は…――――――!!」
*****
次々と生徒会室に呼ばれる石矢魔生徒。
生徒の半分以上が教室から出て行き、戻ってこない。
「次、そこの安全ピン」
「碇だよっ!!」
今度はMK5の碇が呼ばれた。
他のMK5は自分より前に呼ばれ、戻ってきていない。
一体生徒会室ではなにが起きているのか。
生唾を飲み込みながらも碇は教室を出て廊下を渡り、階段を下りた。
「うわ!!?」
生徒会室前の廊下には、自分より前に呼ばれた石矢魔生徒達が倒れていた。
全員、体に傷がないため殴られたわけではなさそうだ。
小刻みに体を震わせてさめざめと嘆いているものや、ブツブツと独り言を言っているものまでいる。
真っ白な廃人のようだ。
「なにこれ!! 絞りカス!!?」
その中には、MK5+1のメンバーもいた。
「どうしたんだおまえら!」
碇はうつ伏せに倒れて泣いている嶋村に駆け寄り、その肩を叩いた。
嶋村は啜り泣きながら言う。
「す…、すまない…、碇…っ。オレ達の秘密が…っ」
「うぅ…っ、詳しく聞かないでくれ…っ」
「一体…なにが…」
その時、生徒会室のドアが開かれた。
手招きするのは、男鹿と肩にのったベル坊だ。
「早くこっち来い…」
「――――ッッ!!?」
このあと、碇も絞りカスにされて廊下に放りだされた。
.