我ら石矢魔生徒会。
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「「「「すみませんでしたっ!!」」」」
聖石矢魔の男子生徒2人の前で、男鹿と神崎と姫川に首根っこをつかまれた4人の石矢魔生徒が頭を下げて謝る。
「確かに、てめーらに嫌がらせをしてたこいつらが悪いけどよ。話を聞けば、悪口言われて仕返ししたって言うじゃねえか。そこんとこ、謝ってもらおうか。そしたら、こいつらだってもう手は出さねえよ」
「はい…」
「すみませんでした…」
神崎に言われた聖石矢魔の生徒は頭を下げる4人に謝った。
「ほら、おまえらも頭上げろ。謝ってもらったし、そっちも気が済んだだろ。ヨーグルッチ飲むか?」
「「「「神崎さん…っ」」」」
ポケットから4個のヨーグルッチを取り出し、石矢魔生徒に配る神崎に、石矢魔生徒4人は全員暑苦しい涙を流した。
「どこの純情刑事だ…」
それを後ろから眺めていた姫川はつっこむ。
「とりあえず、今日の執行はこれで終わりだな。報告書書いて帰ろうぜ」
男鹿はそう言って古市を待たせている教室へと戻ろうとする。
「今日の報告書書く役、またジャンケンで決めるか?」
石矢魔生徒を見送った神崎はコブシでグーをつくって言った。
「言いだしっぺの法則って知ってるか? 神崎」
「あ?」
姫川がそう言うと、神崎は首を傾げる。
教室に戻ると、生徒会のメンバーのほかに、教卓の脇に置かれた椅子に珍しく顧問の早乙女が腕と脚を組んで座っていた。
男鹿達が執行に出向いてすぐに来たのだろう。
教室がタバコ臭い。
「お、ヒゲ」
「珍しいな、てめーがいるなんて…」
男鹿に続き、姫川も驚いたように言う。
「実はな…、おまえらに直接頼みたいことがあってだな…」
早乙女は苦渋に満ちた顔でタバコの煙を吐き出しなが言い、教卓の上に置いた灰皿に灰を落とした。
生徒会は事情を聞き、目を見開く。
「「「「テストの問題用紙盗まれた!!?」」」」
2日後にあるテストの問題用紙だ。
「声がデケーよ、クソッタレ。全科目の半分以上が金庫から盗まれてた。原因はオレの鍵のかけ忘れだ」
早乙女は新しいタバコに火をつけて吹かしながら、頭をぼりぼりと掻いた。
(ダメな教師だな)
古市は口にせずに思った。
「新しいテスト用紙作り直せばいいだろ」
姫川はもっともらしいことを言うが、早乙女に睨まれる。
「校長にバレるだろっ! おまえらには内密に動いて犯人捜し出して、問題用紙取り返してくれりゃいいんだよ」
「このとーり」とタバコを口に咥えたまま、両手を合わせる。
「手がかりもねえのにどうやって探せってんだ」
男鹿は面倒臭そうに言いながら後頭部を掻く。
「石矢魔生徒ひとりひとり凄んで吐かせていくしかねえだろ」
「気が乗らねえなぁ…」
姫川が言うと、神崎は腕を組んで頭を垂れた。
自分のクラスメイトを疑ってかかるのだから仕方がない。
今は放課後だ。
決行は明日にして、生徒会は解散した。
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