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翌朝、石矢魔特設クラスにて、神崎は教室に足を踏み込んで早々、信じられない光景を目の当たりにしていた。
一度教室を出て頬を軽く叩いてから、改めて教室に入るほどだ。
やはり同じ光景だ。
「どうなってんだ…」
「見てわかんねーのか。椅子とりゲームだ」
その質問に答える男鹿。
だが、神崎が求めていた答えとはまったく違う。
確かに目の前の光景は椅子取りゲームだ。
問題なのは、それをやっている5人組だ。
まあ、誰かと察しの通り、姫川だ。
「なんであいつまで分裂してんだよ!!」
神崎は男鹿の胸倉をつかみ、ガクガクと揺すった。
「なんか、今日ラミアに会って、あのアメもらったらしい。好奇心で食べたらああなった。戻るには、全員をくっつければいいってことがわかったしな」
「けど、アレは…!」
普通の眼鏡をかけているのが、へたれ姫。
何事にも消極的。
高そうなコートを身に纏い、金を団扇のように扇いでいるのが、成り金姫。
何事も金で解決しようとする。
学ランで、常に周りや相手の情報を携帯から得ているのが、計算姫。
悪知恵もよく働く。
いつもの色眼鏡とアロハシャツで、ムチを片手に持っているのが、ドS姫。
相手をいたぶることしか考えていない女王様気質。
そして、髪を下ろしているのが、ピュア姫。
姫川の唯一の良心。
全員の視線が神崎に移る。
「か…、神崎! いたのか!?」
「ちょうどいい。いくらだ? いくらでオレの傍にいてくれる?」
「今日は途中で他校の不良共とケンカして圧勝だったそうだな」
「それより神崎。おまえあとで理科準備室に来いよ。なーに、放課後の間だけ付き合ってくれればいいから」
「神崎、愛してるぞ」
神崎は目眩を覚えた。
エグいものから眩しいものまで。
濃くて胸焼けを覚えそうだがよろけているヒマはない。
ドS姫がロープを取り出してにじりよってくるではないか。
身の危険を感じた神崎はすぐに教室を飛び出し逃げ出すが、姫川ファイブがそれを追いかけた。
「「「「「神崎――――っ!!」」」」」
「一人に戻って出直してこいっ!!」
再び、騒々しい朝の始まり。
.END