あなたにサプライズを。
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今日は大事な日だ。
神崎はそのために、城山にケーキ作りを教わろうとしていた。
城山は一切手伝わず、教えるだけだ。
夏目も然り、その様を傍観しているだけ。
神崎はハンドミキサーとボウルを手に、まずはスポンジ作りから始めていた。
「そうそう、生地が白っぽくもったりするまで混ぜてください」
「おう。…ところで、教えにくくないか?」
城山は、神崎から5m離れたところから指示を出していた。
「直視できない状態なので」
料理の方しか目を向けないようにしている。
「次はゴムベラでさっくりと切るように混ぜてください」
「……さっくり? 切る? 混ぜる?」
ゴムベラを見つめる神崎は怪訝な表情を浮かべた。
ケーキ作りどころか菓子作り自体なので困惑するのも無理はない。
「とにかく、ぐるぐる、じゃなくて、さくさくと…」
城山はジェスチャーで伝えながら説明する。
「縦に切るように動かすんだ」
夏目も、その様に口元をニヤニヤしながら教える。
「お…、おう…」
ぎこちない動きで言う通りにする。
生地にツヤが出てきたら、溶かしバターとサラダ油をそれに混ぜ合わせ、型に流し込み、予熱したオーブンの中に入れる。
スポンジ作りはひとまず完了だ。
神崎はすでに疲れて、床に座り込んでいる。
「今度はホイップ作りですよ」
「…わかった」
神崎はヨーグルッチを飲んで自身を充電させ、立ち上がる。
「やる気満々だね」
泡だて器とボウルを手に、神崎はひたすらホイップをかき混ぜる。
その途中、力み過ぎたのか、ホイップが神崎の顔にはねた。
「ぅっ、汚れた…」
手の甲で拭き、舐める。
ブシャアッ!
「城山ーっ!!」
再び流血沙汰になる城山。
「神崎君、天然…っ」
倒れる城山とそれに駆け寄る神崎を眺め、夏目はただただ爆笑を耐えていた。
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