真犯人を見つけましょう。
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次の日、姫川は学校をサボって面会室に来ていた。
警官にその部屋に通された神崎はバツが悪そうな顔をしながら椅子に座り、対面窓越しに2人は顔を見合わせる。
「…おまえなにしてんの」
「オレもなにがなんだか…」
神崎の話を聞く限り、まんまと犯人にハメられたことだけは理解できた。
姫川は大きく息を吸い込み、まくしたてる。
「あれほど夜は出歩くなっつったろうが! おまえ警察に疑われてんのわかってねえだろ!」
「わかってたけど、ヨーグルッチが切れちまったんだ! アレがねえとそれこそ犯罪起こしかねねえよ!」
「てめえんちの下っ端に買わせてこいや! そんなだから…」
「説教はもういい! こっちは警察の尋問で腹いっぱいなんだよ!」
それを聞いた姫川はまず自分を落ち着かせる。
「……で、犯人の顔は見てねえのか? ぶつかったんだろ?」
「暗がりでわかんかったけど…、たぶんあいつだ」
「たぶんって…。曖昧だな…。しばらくは現れねえんじゃねーの?」
「イコール、オレずっとこのまんまってことか?」
神崎は頭を垂れ、姫川はそのつむじを見つめた。
どうにかしてやれないものか。
保釈金を出すのは簡単だが、そんなズルをすれば犯人が神崎に確定してしまう。
「……神崎」
「ん?」
神崎が顔を上げる。
「……オレが真犯人捕まえてやるから、待ってろ」
「…は?」
「じゃあな」
姫川は席を立ち、面会室の扉を開ける。
「ちょっと待て! 捕まえるって…! 姫川!」
神崎も立ち上がって呼びかけたが、姫川はそのまま面会室を出て行ってしまった。
*****
放課後の学校。
サボりだった姫川は教室に来ていた。
話を聞いた夏目は「うんうん」と腕を組みながら頷く。
「実はオレも城ちゃんもそれについて話してたんだよね。…神崎君の家のみんなも、いつ警察襲撃してもおかしくないほど荒れてるらしいからさ」
みんな、と姫川の頭に浮かんだのが、「若を取り戻すぞ」とドスやチャカを片手に息巻く血の気の盛んなヤクザの方々だ。
考えただけでゾッとする。
「その前に、オレが連れ出すっ!!」
城山がコブシを握りしめて言いだすが、連れ出しても犯人が見つからなければただの逃亡犯だ。
「オレの話をちゃんと聞け、城山」
ヤクザといい、城山といい、ミーハーな親衛隊か。
「神崎君に「オレが犯人を捕まえてやる」って言ったんだろうけど、どうするの?」
(オレ、こいつにそんなこと話したっけ?)
疑問に思いつつ、姫川は考えを述べる。
「囮作戦なんてどうだ? レッドテイルに参加してもらって…。そういやあいつらどこ行ったんだ?」
男鹿とともに帰り支度をしていた古市が答える。
「なんか、他校の女子高から果たし状がきて、皆さん授業の途中でそちらに行きました」
「はぁ!? こんな時に…」
「姫ちゃんの知り合いに女の人がいたら頼んでみたら?」
「………神崎と付き合って、知ってる女は大体こっちから連絡を断っちまったからなぁ」
「もったいないっ! オレだったら平等にみんな愛しますけどね!」
「「……………」」
話に入ってきた古市を、姫川と夏目は冷めた目で見つめる。
そこで夏目が「あ」と声を漏らし、手を鳴らした。
「そうだ、いい方法があるよ」
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