真犯人を見つけましょう。
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夜の石矢魔町にて、午後2時。
事件は突然起きた。
とある歩道橋で、男女がかばんをめぐって引っ張り合いをしていた。
女は取られまいとショルダーバッグの紐をつかみ、人が駆けつけてくるまで粘っていたが、痺れを切らした男は女の顔面を殴り、その衝撃で女性の手が離れると、すかさずショルダーバッグを腕に抱えて逃走した。
「どろぼ―――っ!!」
それが女性の精一杯の叫びだった。
男は口元のチェーンピアスを揺らしながら息荒く走る。
*****
翌日、それは朝刊の記事に掲載された。その新聞を持ってきたのは、夏目だった。
「また引ったくりだってさ。これで何件目だろうね…。あ、女の人、怪我したらしいよ」
「女を殴るとは…、カスだな…」
夏目の隣に立つ城山は腕を組みながら言った。
神崎は黙ってヨーグルッチを飲みながらそれを聞いていた。
「どこのヤローよ。なんでも、高校生くらいらしいじゃない」
自分の席で聞いていた大森も嫌悪を浮かべていた。
新聞に目を通していた夏目は「それ、前の情報だねぇ」と言って、興味深い一文を凝視する。
「あ、犯人の特徴! 金髪で…、顔に傷があって…、アゴにヒゲ…、口元にチェーンの…ピアス……」
クラス中の視線が神崎に集中した。
「……なに見てんだてめーら。ブッ殺すぞ」
睨み付けると全員が視線をそらした。
そこで姫川がフォローを入れる。
「神崎は犯人じゃねえよ。アリバイがある。昨日の夜から朝まで…、オレといたんだからな」
「さらっと言うなぁ!!」
しかしその一言で全員が「あー。じゃあ違うね」と納得する。
「納得もすんなっ!!」
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