ホワイトデートしましょう。
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他の乗り物にも乗り、ゴーストハウスのあと。
「……………」
「…迫力あったよな」
先程から青ざめた顔のまま姫川の袖を握りしめ、まったく手を放さない。
ジェットコースターなどでかなり盛り上がっていたのに、そのテンションはどこへ行ってしまったのか、おどかされるにつれ、姫川との距離を徐々に縮め、今に至る。
姫川も多少驚きはしたものの、神崎ほどビビってはいなかった。
「おまえ、ああいうのはダメなんだな」
「……ほっとけ」
それでも神崎は放さない。
「どうせなら手を繋いでくれよ」と言いつつ、姫川は心の中でガッツポーズしていた。
「あの…、すみません」
「!」
前を見ると、同じ年ごろの男女カップルがこちらにやってきた。
カメラを持った彼女が笑顔を向け、姫川に若干見惚れながら声をかける。
「写真おねがいしていいですか?」
「え…、ああ、いいよ」
写真を頼まれ、彼女からカメラを受け取った。
珍しいことにインスタントカメラだ。
うまく撮れるだろうか。
さすがにこの時の神崎は手を放した。
間違って指が写ってしまわないように注意し、シャッターの位置を確認したあと、「撮りまーす」と声をかけた。
彼氏が彼女の肩に手を回して自分に引き寄せ、両方笑みを浮かべたのを見てシャッターを切る。
パシャッ、と音がした。
そのあと、ジ―――、という音とともに出来たての写真が出てきた。
カメラと出来たての写真をカップルに渡す。
「お礼に一枚どうですか?」
彼氏にそう言われ、姫川は神崎に振り返った。
「じゃあ…」
お言葉に甘えようとしたが、神崎は首を振る。
「写真はいい」
「せっかく来たんだし…」
「いいからっ」
姫川が写メで撮影しようとしても嫌がる。
「あっ。あれ、城山と夏目じゃねえの?」
神崎越しを見て指をさすと、神崎は「は!?」と指さした方向に振り返って「どこだ!?」と急いで辺りを見回す。
姫川は素早く振り返ってカップルにジェスチャーを送る。
“お願いしまーす☆”
彼氏は笑みを浮かべてOKサインを出した。
隣の彼女はクスクスと笑っている。
「ほら、あっち行った!」
神崎の袖をグイと引っ張り、こちらに向かせた。
姫川が笑みを浮かべ、彼氏はシャッターを切る。
パシャッ
「どうも!」
素早く神崎から離れ、出来たての写真を受け取ったあと、逃げるように走った。
「姫川ぁああああ!!」
神崎は悔しげに追いかけてくる。
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