ホワイトデートしましょう。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日、遊園地の前で姫川はひとりそわそわとしながら待っていた。
前回のように拉致られれば、今度は膝蹴りだけじゃ済まないだろうと思って、堂々(?)と誘い、呆れられつつデートOKをもらうことができた。
そわそわ。
そわそわ。
普通のデートっぽくするために、格好もオシャレにしたし、乗り物の邪魔になりそうな髪も下ろしてきた。
デートの準備だけで時間がかかったのはこれが初めてかもしれない。
女の時は適当だったな、と今更ながら自覚する。
ゲートの前でも遊園地独特の騒がしい音が聞こえる。
ジェットコースターがレールを走る音、それで悲鳴を上げる人間の声、メリーゴーランドの音楽、迷子を知らせるアナウンスなど。
そろそろ約束の時間だ。
「…!」
見覚えのある金髪発見。
ヨーグルッチを飲みながら来た。
あちらも彼女がいるような気合の入った服で着ている。
「神崎!」
手を振ると、先程から姫川ばかり見ていた数人の女性達までそちらを見る。
「お…、おう…」
神崎も小さく手を上げて返す。
「…なんだ、適当にグルッチカラーのジャージでくるかと思ってた」
「夏目だ、夏目。デートに行くならと勝手にコーディネートしやがった」
神崎は苛立ったように片手で頭をぐしゃぐしゃと掻き、姫川を軽く睨む。
「…リーゼントじゃねーんだな」
「デートくらいはな。ほら、入ろうぜ」
姫川は神崎の手を取り、引っ張った。
神崎は慌ててそれを振り払う。
「おい、女じゃねーんだ。やめろよ」
「恋人なのに…」
姫川は口を尖らせる。
入場した途端、神崎はきょろきょろと辺りを見回して落ち着きがない。
遊園地は好きじゃないのか、と姫川は心配になった。
「か、神崎?」
「な、なんだよ。早くどれに乗るか決めろよ…っ。オレが決めんぞ」
神崎の目がわかりやすいほど輝いている。
「じゃあ、神崎が選んでくr」
「あれだ!」
待ってましたとばかりの即答だ。
しかも真っ先に指したのは爆走中のジェットコースター。
「早くしないと乗れねえだろが」
神崎自ら姫川の腕をとって引っ張り、そこへ向かう。
けっこうノリノリじゃないか。
.