ホワイトデートしましょう。
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「姫ちゃんとデートしてあげないの?」
「夏目、潰すぞ」
姫川が教室から出て行ったあと、休み時に城山と一緒に席に近づいてきた夏目が話しかけてきた。
神崎はギロリと睨み、夏目の目前でヨーグルッチのパックを握りしめる。
「わぁ。荒れてるね」
「神崎先輩」
今度は隣の席の古市が声をかけてきた。
「今日がホワイトデーでもないかぎり、姫川先輩は誘う機会がなかったんだと思います…。あの遊園地のチケットだって、有効期限明日までらしいです」
つまり、あのチケットは昨日や今日持ってた話ではない。
神崎は古市の言葉に耳を傾けながら、カラになったヨーグルッチのパックを膨らませた。
古市はその様子を見て、目を伏せる。
「オレも、その気持ちわかります。この日だからこそ言いださないと、って思う時…。神崎先輩…、オレが口を出すのもおかしいですが、姫川先輩の気持ちをもっと…」
「城山」
「はい」
城山はいきなり古市の背後に回り込み、羽交い締めにして席から立たせた。
「え!? なに!?」
すると、夏目が古市と向かい合い、裾に手を突っ込んだ。
出てきたものは、表紙だけでもモザイクが必要なエロ本だった。
それを夏目から受け取った神崎は、「これなぁに?」と口元だけで笑った。
古市は大量の冷や汗を流して押し黙り、目線を逸らす。
「じゃあ破くか…」
「待ってください!! あまりに過激で販売廃止されたマル秘ドエロ本です!!;」
「どうして腹の下に隠してた? てめーはこんな犯罪級のモンを学校に持ち込むのか? おお、スゲーな…」
何気に神崎もパラ読みで中身を確認。
ほとんど無修正でまともに見れるものではない。
「ひ…、姫川先輩から…、その…」
「オレを説得しろとでも言われたか」
札束ビンタならぬエロ本ビンタをされ、見事に懐柔された様が目に浮かぶ。
「……!」
ふと視線を出入口にやると、姫川が顔を半分隠してこちらを窺っているのが見えた。
目が合って慌てて引っ込んだが、リーゼントの先端が隠れきれていない。
「…ヘタレか」
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