姪っ子が家出しました。
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それから数十分後、神崎、夏目、城山の3人は因幡の家を訪れた。
因幡はやつれた様子でドアを開け、3人から心配される。
「大丈夫か?」と城山。
「やつれた?」と夏目。
「いや…、大丈夫…」
「あのバカ娘はどこだ!?」
神崎は因幡の家に上がり込み、ダイニングのソファーに腰掛けてテレビを見ていた二葉を見つけ、無理やり連れ帰ろうとすると、
「嫌―――っ!!」
二葉は激しく駄々をこねた。
「親父も心配してんだ! 帰んぞ!」
「桃と遊ぶ―――っ!!」
因幡の脚にコアラのようにひっついた二葉を神崎が引っ張るが、爪を立てられた因幡は「いだだだだ!! 爪爪爪!!」と痛がった。
神崎が放すと、二葉はしばらく家の中を走り回って追いかけっこが続き、階段をのぼって因幡の部屋に逃げ込み、ジャンプしてドアのカギをかけた。
「あ!!」
「オレの部屋に…!!」
神崎がドアノブを乱暴にガチャガチャと開けようとするが、カギのかかったドアではそれ以上下におろすことができない。
神崎は「開けろ!」とドアをコブシで叩く。
「出てこい二葉! 人様の家に迷惑かけてんじゃねーよ!」
「今日から二葉は桃の妹になるもん!!」
「はぁ!?」
ドアから怒鳴る二葉に、神崎はこめかみに青筋を浮かべ、「なに言ってんだふざけんなっ」とドアを叩き続けた。
それを横から夏目が困ったような笑顔とともになだめる。
「まあまあ神崎君、落ち着いて」
「……因幡…、おまえんチ、確か釘バット持ってたよな…?」
「てめーこそ人様の部屋になにするつもりだっ!!?」
ドアが破壊されるのは目に見えている。
「二葉!! おい!! 怒んねえから出てこい!!」
「ウソだし!! もう怒ってるし!! 絶対出てやらねーからな!!」
「二葉!!」
「うるさい!!」
「あのガキ…ッ!」
姪とはいえ、意地の張り方が叔父そっくりだ。
口にしなかったが、ドア越しに怒鳴り合う2人を見守る3人は同じことを思った。
「怒鳴り合ってても出てこねえよ。余計意地張るだけだろ」
そこで因幡が小声で神崎に言った。
こちらが黙ると、あちらも沈黙した。
一度頭を冷やして作戦会議だ。
因幡達は廊下にしゃがんで円になり、二葉には聞こえないように小声で話し合う。
「簡単に出てこさせるのは難しそうですね」と城山。
「相手は二葉ちゃんだもんねー」と夏目。
「夏目、楽しげに言うな。…どうしたもんか…」と神崎。
「……こうなったら、天照作戦で行くしかねーな」と因幡。
「真っ黒な炎ですべてを焼き尽くすっていう、あの…」
「そう!! 万華鏡写輪眼!! なわけねーだろっ。いいから耳貸せよ!」
神崎が言い切る前に乗りツッコミ。
さらに距離を詰め、因幡は3人に作戦を伝える。
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