美味しいコーヒー、いかがですか?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
石矢魔町から2・3個隣の町の中心部、街路に面した場所に建つカフェ“ブリック”。
その外装は、簡単に言えばレンガのお家だ。
店内だけでなく、1階と2階にはテラスがあり、そこでコーヒーとスイーツの味、穏やかに流れるBGMを楽しみながら話に花を咲かせるのも良い。
「いらっしゃいませ」
そんなカフェに、3日前から働くウェイター(?)がいた。
来店した女性客達に愛想の良い笑みを浮かべ、見惚れられていると気にすることなく席へと案内する。
「ご注文はなにになさいますか?」
呼ばれれば颯爽と現れ、メニューをメモして厨房へと行く。
「マスター、ブレンド2つ、チーズケーキとフルーツのロールケーキを1つずつ」
「はい」
厨房にはこのカフェの経営を営むマスターがいた。
「桃ちゃん、ブレンドコーヒー2つね」
ウェイトレス姿の姉の桜はコーヒーをカップに淹れ、カウンターに置いた。
「ここで「桃ちゃん」はやめろって言ってんだろ」
小声で文句を言いながら、ウェイター姿の因幡はトレーにコーヒーを載せ、先程注文した女性客のほうへと向かう。
「姉貴、悪い、このケーキどこだっけ?」
その途中、同じくウェイター姿の弟の春樹に呼び止められ、小声で尋ねられる。
「姉貴っていうな。それは2階のテラス、3のお客様のだ」
小声で返すと「サンキュ」と礼を言われ、春樹は2階の階段をのぼっていく。
「ふぅ…」
(せっかくの3連休だってのに、バイトとは…)
「すみませーん」
今度は1階のテラスからの注文だ。
一息つく間もない。
「はい!」
因幡はすぐにテラスへと向かった。
「お待たせしまし…」
テラスの4席には、見覚えのある連中が座っていた。
「やっほー、因幡ちゃん」と夏目。
「休日にバイトとは精が出るな」と城山。
「けっこういいところで働いてるな」と姫川。
「ここってヨーグルッチ売ってねえの?」と神崎。
「……………」
白い目でフリーズしていた因幡は、テーブルにあった砂糖の入ったビンをつかみ、
「帰れっ!!」
撒いた。
「うわっ。甘っ!!」と姫川。
「塩のつもりか!! 絶対帰ってやらねーっ!!」と神崎。
.