今日だけリーゼント。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「原因は間違いなくおまえだろうな」
特にくしゃみ笑いをしている時だ。
事情を話した因幡も苦い顔をする。
「そ…。―――で、オレが代わりに喧嘩してきてやるってわけ。責任はオレにあるわけだし」
「だから姫ちゃんの格好を? 律儀だねー。そのリーゼント、ウィッグもつけてる?」
地毛で作ったにしては長すぎる。
因幡は「母さんがいっぱいそういうの持ってるから」と自慢げに自分のリーゼントに手を添えた。
「つーことで、相手方にバレないよう、今日だけオレは姫川だ。夜露死苦っ!」
*****
「いくらだ?」
因幡はサングラスを逆光させ、神崎に尋ねる。
「ぶはっ! 似てる―――っ!(笑)」
最初は呆れ返っていた神崎も、慣れればただのネタだ。
因幡が姫川のマネをするたびに腹を抱えて笑う。
「いくらだしゃ、オレの下につくかって聞いてんだよ…」
片手に持つのは、1000円札を5枚。
「しょぼい―――っ!(笑)」
「神崎さん…」
「2人とも姫ちゃんのことバカにしてるでしょ?(笑)」
そう言う夏目も一緒に笑っていた。
「ところで因幡ちゃ…、姫ちゃん? 喧嘩しに行くって言っても、戦い方も姫ちゃんのスタイルじゃないと…」
「おう。わかってるよ。だから…」
因幡は席を立って自身の背中に手を回し、腰に挟んだスタンバトンをつかんで抜きとった。
「ちゃーんとスタンバトンも用意してるぜ?」
「それどうした?」
神崎が指をさして尋ねると、因幡は不敵に笑って答える。
「机の中にあった。置きスタンバトンだな」
「物騒なモンを置き傘みたいに置いてってんじゃねーよ、あいつ」
「とにかくこれで姫川がやってるようにすればいいわけだ。スイッチひとつで電流ビリビリッ!」
楽しげに言う因幡は腰にスタンバトンを戻して席に座った。
カチッ
「あ」
ビシャァアアア!!
座ったと同時にスイッチを押してしまったようで、因幡の全身に電流が襲いかかり、椅子ごと仰向けに倒れる。
「けほっ」と口から焦げくさい黒煙が出た。
「「因幡―――っ!!」」
焦げた因幡に駆け寄る神崎と城山。
(心配だなぁ…)
.