ギャンブラーの一夜。
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その日の石矢魔高校で、神崎と因幡は机を挟み、夏目が持ってきたトランプでポーカーをしていた。
「フルハウス」
神崎が自分の手札を机に並べた。
それを見下ろし、因幡は口端を吊り上げ、手札を並べる。
「フォーカード」
それを見た神崎は「チッ」と舌打ちし、頭を抱えた。
「ふっざけんなよ。また負けたー!」
気持ちのままに、目の前のカードをかき混ぜる。
「ははっ、オレ、ポーカーの才能あるかもー。約束どおり、キャンディー10本買ってこーい」
因幡は自慢げに言いながら、ポケットからキャンディーを取り出してくわえた。
勝利後の一服というものだ。
負けた神崎はカードを集める。
「ポーカーは才能とかそういう次元じゃねえんだよ。ほとんど運だろが。あと表情での騙し方」
「それと、反則のやり方だよね」
夏目は因幡の後ろから声をかけ、因幡が振り返る前にその手首をつかんだ。
「あ」
腕を振られただけで、袖からカードがバラバラと出てきた。
因幡があらかじめ用意しておいた、自分のトランプだ。
「後ろから見てるとわかりやすかったよ。不利なカードを得るたびに、取り替えてるの。…練習した?」
「夏…目…っ」
因幡は肩越しに夏目をにらみ付ける。
見てしまった神崎と城山はしばらく呆然としていたが、神崎は我に返るとともに机をひっくり返した。
「因幡――――!!!」
因幡は逃げようと試みたが、その前に城山と夏目は因幡の腕をつかんで逃走を阻止する。
「てめぇ夏目! あとで酷いからなっ!」
「オレを制裁する前に、先に神崎君の制裁を受けないと」
夏目は、腕を振り解こうとしながら喚く因幡に黒い笑みを向ける。
「神崎さん、どうぞ」
「よしっ、おまえら絶対逃がすなよ。負けた10回分…その10倍、全部で1000回打ちこんでやるっ」
「計算違うぞ! だいぶ増えてるから!」
「おいおまえら」
最初に一撃叩き込もうと神崎が足をあげたとき、教室の出入り口から姫川が声をかけた。
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