ゲーセンに行きました。
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シューティング、音ゲー、メダルゲームなどで勝負を挑んでも、2人には勝てなかった。
あいつら、いっぺんでいいから泣かせたい。
とにかく今はオレの方が泣きたい気持ちだ。
「次、アレ!」
オレが指さしたのは、エアホッケーだ。
プレイしてるところを見ていただけだが、ルールは覚えてる。
「オレもやるの久々だなー」
そう言って、神崎が相手してくれることになった。
お互い位置につき、外枠の端に用意されたスマッシャーを手に取る。
オレが金を入れ、ゲームスタート。
外枠の中央から円盤が飛び出し、外枠に当たって反射しながらオレの方へ滑っていった。
穴に入る前にオレは素早く構え、カーンッ、と全力で打つ。
そのまま円盤は反射することなく、綺麗な直線を描いて吸い込まれるように穴に入り、気持ちのいい音がし、オレに点数が入った。
神崎達は「ほう」とちゃんと出来ているオレに目を丸くする。
オレは一足早く勝ち誇った顔をし、挑発的に神崎に見せつけた。
「上等。時間内に点数上回ってやるよ」
神崎は口端を吊り上げ、反撃を開始する。
その後、遊戯とはいえ、攻防は凄まじかった。
打ち返されてはこっちも打ち返し、入れられたら入れ返すの繰り返し。
時間はもう10秒もない。
点数は今のところ引き分け。
そんなの神崎が納得するわけねえし、オレだって嫌だ。
あと3秒。
円盤を打ち返される。
「もーらい!!」
最後の最後で神崎が全力でくることはお見通しだ。
円盤は真っ直ぐこっちに打ち返された。
オレは勢いをつけて打ち返そうと横に振り被った。
スポッ!
「!!」
「「「「あっ」」」」
勢いありすぎて手が滑り、スマッシャーが傍観中の姫川のリーゼントに直撃した。
それを見た夏目、城山、神崎は同時に爆笑する。
円盤は自陣の穴に入る。
オレの負け。
だが、オレは敗北の気分を味わっているヒマはなかった。
自分のリーゼントに埋まったスマッシャーを引き抜いた姫川は、サングラスを逆光させてオレを手招きする。
オレは「すまん」と謝ったが、怒りを鎮める効果はない。
「いたーいっ」
姫川の脇に抱えられたオレは、ぺシーン、ペシーン、と尻を何度も叩かれた。
「因幡、他に言い分はあるか?」
「だからごめんってば。…あとで神崎にもやってみてくれる?」
バシッ!
「痛たーっ!」
姫川が叩く前に、神崎に叩かれた。
「もうそこらへんにしてあげようよ」
見兼ねた夏目が2人をなだめようとした時だ。
「おい、てめーらさっきからオレ達の縄張りで好き勝手やってんじゃねーよ」
その時、他校の不良達が因縁をつけてきた。
「あ?」
「痛っ」
不意に姫川が手を緩めるから床に落とされてしまい、腹を打ってしまう。
メンチを切ると、他の不良達も出てきた。
「…因幡、ゲームだ」
オレが立ちあがると、姫川が言いだした。
姫川の言いたいことはすぐに察した。
「多く倒した方が勝ち…ってゲーム?」
なんだ、オレの得意分野じゃないか。
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