ただの日記には書ききれません。
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因幡の家に、神崎組と姫川が遊びに来ていた。
ゲームをしたり、マンガを読んだりと各々過ごしていたが、ローテーブルにある全員分のコーヒーがカラになったところで、夏目が薦めてきたマンガを読んでいた因幡は膝で立ち、トレーにカラのカップをのせていく。
「おまえら、コーヒーのおかわりは?」
「あ、いいの?」
「気が利くじゃねーか」
「オレが飲みたいから、ついでだついで」
5人分のカップを載せたトレーを手に、因幡は一度部屋を出ようとドアノブに手をかける。
そこで何かを思い出したように4人に振り返った。
「オレがいないからって漁るなよ?」
注意だけしておいてから部屋から出て行く。
「漁るかよ」
「オレらのことなんだと思ってんだ」
そう言う神崎と姫川だが、以前、アルバムやらマンガやらを勝手に物色していたこともある。
因幡も人の事は言えない。
どちらの家も部屋に招かれるなり、エロ本がどこかにないか物色済みだ。
神崎は楽な体勢になろうと床からベッドに移って腰掛ける。
そこであるものを見つけた。
ベッドの上に置かれた、綺麗に折り畳まれた因幡の服だ。
服と服の間からピンクの紐のようなものが見えた。
「? なんだコレ?」
怪訝な一言に、その場の視線が集まる。
ずるり、と引き出してみると、レースのついたピンクのブラだ。
神崎が見つけてしまったのは肩紐の部分だった。
「「「「!!!!」」」」
姫川達もぎょっとする。
これは掘り出してはならないものだと神崎は急いで元の位置に戻そうとしたが、横から姫川に取られてしまう。
「コラ!!」
「デカイ…」
姫川はサイドベルトをつかんで凝視する。
いつも平たく見せている因幡の物とは思えない。
「まじまじ見んな!! いいからしまえよ!!」
「サイズは…」
「ブッ転がされるぞ!!」
「つけてみたら?」
提案したのは夏目だ。
「何を言い出す!!?」
仰天する城山と神崎。
夏目はドアの向こう側を確認し、因幡がまだ来ないことを伝える。
「神崎」
つけてみろ、と言いたげに差し出す。
「オレかよ!! てめーがつけろよ!!」
「この中で一番体格が小柄なのおまえなんだ。ホックが留まるわけねーだろ」
確かに、と納得しかけたところではっとした。
「だからってつけねぇぞオレは!!」
「大体、どうやってつけるんだ、ソレは…」
城山は恥ずかしげに視線を逸らしながら、ブラを指さす。
それを説明するのは姫川だ。
「こうやって」
助手を務める夏目は、神崎の両腕をつかんで万歳の格好をさせてから上着を脱がせ、姫川は最初に肩ひもを通す。
「肩紐をかけてだな…」
「おおいっ!? なんで知ってんだてめーは!! つか、どさくさに紛れてつけてんじゃ…いでででっ!」
ホックを止めようとサイドベルトに締め付けられ、神崎は途中で痛みを訴えた。
その背後では姫川がホックをかけようと苦戦している。
「ギリ…届かねえ…っ」
「女子の胸周りと一緒にすんなっ!!」
「姫ちゃん、あともう少しだよ!」
「てめーはカメラ構えてんじゃねえよ!!」
「……………(チラリ)」
「チラ見すんな城山ぁああっ!!」
ガチャ…
「……お…まえら…」
静かにドアを開け、淹れ立てのコーヒーを持ってきた因幡はその光景に危うくトレーを落としかける。
「「「「あ」」」」
怒り狂う様子はない。
だが、因幡は微かに震えながらブラを指さす。
「それって……」
そこでひょっこりと現れたのは、姉の桜だ。
「私の下着、畳んでる最中に間違えて桃ちゃんの服に紛れちゃったみたいで…。母さんったら、おっちょこちょいね」
優しい笑みを浮かべる桜。
しかし、その背中には骸骨の死神が見えた。
「「「「……………」」」」
男子4人は、ようやく自分達の過ちに気付き、顔に大量の冷や汗を浮かべた。
傍にいる因幡はカタカタと真っ青な顔で震えている。
「…コレも…履いてみる?」
笑顔の桜が取り出したのは、ブラの対である下着だ。
神崎達は横一列に並び、行儀よく正座してから頭を下げた。
「「「「大変、誠に申し訳ありませんでした」」」」
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