ただの日記には書ききれません。
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姫川の家でゲーム大会をしていた時のことだった。
神崎はソファーにかけられたアロハシャツを見つけ、トイレから戻ってきた姫川にいきなり喧嘩腰になって言い争いを始めた。
それは、もうかれこれ1時間は経過していた。
「だからっ、女遊びするのはてめえの勝手だけどよ! それをわざわざオレ達に見せるなって言ってんだ! てめぇ絶対頭悪いだろクソフランスパンがっ!!」
「だーかーらー、これは人込み歩いてたらついたんだって!」
「ウソつけっ! てめえがわざわざ人込み歩くわけねーだろっ」
「車待ってた時に遭遇したんだって!」
「大体、そんなキレイに跡がつくもんかよっ!!」
神崎が指をさした先には、アロハシャツの襟に口紅のキスマークがあった。
「つかせてたまるかよっ! オレの大事なアロハ汚したらいくら女でもキレるわっ!! なに怒ってんだてめーはっ!!」
「怒ってねえよ!! 腹立ててんだよっ!!」
「怒ってるっつーんだよ、それはっ!!」
夏目、城山、因幡は廊下に避難して、その夫婦喧嘩のような光景を半開きの扉から眺めていた。
因幡の顔は真っ青だ。
その唇には真っ赤な口紅をつけていた。
「…そろそろ出てって謝った方がいいんじゃない?」
「ヤだよっ。絶対オレ殺されるし! 言いだしっぺは夏目だろ!?」
「だってこんな事態になるとは思ってなかったし…」
夏目は視線を逸らす。
「オレだってこんな悪化するとは思ってなかったわっ!!」
最初は面白半分に夏目が提案したことから始まった。
キスマークを発見してしまった神崎の反応を見たいがために。
照れるのか、嫉妬するのか。
そんな軽い気持ちだった。
リアクションは後者だったが、その程度をナメていた。
あんなあからさまな反応するとは。あれから随分時間も経過した。
ケンカの長さもナメていた2人は今や出るに出られない。
傍で聞いていた城山は、優しく夏目と因幡の頭に手をのせ、「オレも一緒に謝ってやるから」とお兄ちゃん的なことを言いだした。
今は、お父さんとお母さん的な2人が言い争いに疲れるまで待つことにした。
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