ただの日記には書ききれません。
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神崎と姫川は、放課後、因幡に屋上に呼び出されていた。
2人肩を並べて屋上に行くと、先に待っていた因幡は真剣な面持ちで振り返り、懐からなにかを取り出した。
後ろの先端に綿がついた、耳かきだ。
「ちょっと、頼みたいことが…!」
「「バイバイ」」
2人が扉を閉める前に因幡は扉の隙間に素早く足を差し込み、ドアノブを引く。
「帰るなあああああっ!!」
こっちも必死なんだよ、と言いたげに帰ろうとする2人を阻止し、屋上に連れ戻す。
話を聞けばやはりろくでもないことだ。
「耳かきしろ!」
こんな奇妙な頼みは一度や二度ではない。
原因は母親のコハルであるということは経験上察していた。
理由は簡単。
コハルが描いている漫画の資料集めだそうだ。
「ちょっとムービー撮らせて! 一生のお願い!」
この因幡の一生のお願いも何度聞いてきたことか。
「てめぇ自分の一生大事にしろ」
神崎に呆れられつっこまれながらも、2人は渋々これを承諾した。
手に負えない妹を相手にしているかのような馴れたやりとりだ。
ジャンケンして、最初に神崎が姫川を膝枕して耳を掻くことになった。
「ははっ、くすぐってぇ…」
ブスッ!
「あ」
中断。
神崎に悪気はまったくなかった。
なかったが、突き刺さってしまった。
屋上が姫川の悲鳴で轟き、撮影をしていた因幡も自分のことのように思わず顔をしかめ、耳を塞いだ。
姫川がティッシュを耳につめ、神崎と交代し、撮影を続行。
さすが石矢魔東邦神姫。
中途半端で投げ出したりしない根性がある。
神崎は姫川に膝枕してもらい、耳を掻いてもらう。
姫川もどちらかといえばやってもらう立場なのに、神崎と違って間違えて突き刺すなんてことはなかった。
「ん…っ、そこ…」
それどころか、神崎は気持ち良さそうな笑みを浮かべ、喘ぎにも似た声をぽつぽつと出していた。
「ぁ…、意外と…上手いな…。姫川…」
「いきなり突っ込むと痛いだろ。てめーとは違うんだよ。だからこうやってじっくりと時間をかけてやってくんだよ」
「そこ…、そう…、もうちょっと掻きまわせ…」
「こうか?」
「ん…」
「ヨダレ、垂らすなよ?」
「垂らしてねーよ…」
「あんま汚れてねえな」
「大体…自分で処理…してるからなぁぁ…」
ちなみにこの時の因幡は手元が震えないよう保つのに必死だった。
(会話の内容がいかがわしい!!)
そう思ってるのがいかがわしい。
神崎、両耳やってもらって撮影終了。
あとからタイミングを見計らって城山と夏目が入ってきたのはこの2秒後。
夏目も挙手して「オレもやってやってー」と姫川に耳かきしてもらうのはこの5秒後。
「オレも…、やってもらおうかな…」
姫川の耳かきが好評なので、因幡が羨ましげにそう呟くのはこの10分後であった。
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