リクエスト:守りますから暴れないでください。
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思い出した怒りで、神崎は因幡の頭を左手でつかんで圧迫する。
「おかげでこのザマだ。てめーを埋めてやろうか」
「いだいいだいいだいいだい」
(((((3階から落ちてねんざだけなんだ)))))
男鹿に3階の窓から落とされて丈夫になったのかもしれないが、クラスメイトの誰もが思った。
この人も大概バケモノだな、と。
「しかも、姫川はともかく、こいつ「心配だ」とか抜かしてずっとついてまわってくんだよ」
因幡は両手でなんとか神崎の左手を放し、神崎と向かい合う。
「だって、オレのせいでケガさせちまったわけだし…。そんなカッコじゃ、いい的だろーが。ケンカできるのかよ?」
「完治するまで、2週間は必要なんだろ? 東邦神姫の神崎一が手負いって知って狙ってくる輩は少なからずもいるからな。…オレならそうする」
そう言いながら、神崎の右腕を人差し指でつつく。
それだけでも痛みが走るのか、神崎は「触んなコラ」と左手で払う。
「いらねえっつってんだろ! お節介なんだよ! オレ様を誰だと思ってんだ! そこらへんのザコごときにやられるかっつの。その気になれば小指一本で勝てるしな」
神崎が左手の小指を立てた時だ。
姫川は表情も変えず神崎の小指をつかんだ。
「振りほどいてみろよ」
「……………」
神崎は振りほどこうと左手をぶんぶんと振るうが、外れない。
「んぎぎぎぎっ」
引っ張ってもムリだ。
「ほらほら、小指が折れちまうぞ」
ニヤニヤとし始める姫川。
ムキになる神崎。
「姫ちゃん、ちょっと楽しんでる?」
「どう見てもな。あー、和む」
それを遠巻きに眺める、夏目と因幡。
振りほどこうと散々試みたが、結局振りほどくことができなかった。
ようやく小指を解放された神崎は、
「っうら!!」
「!!」
小指をリーゼントの下から突き上げる意趣返しをやり遂げる。
「とにかく!! 向かってくるザコはオレがてめーで撃退するから!! おまえら絶対手ェ出すんじゃねえぞ!! 特に因幡!! オレのジャマしやがったら絶交だからな!!」
「ぜ…っこ…」
指をさされて宣告され、胸に突き刺さる言葉に因幡はショックを受けてしまう。
「わかったな?」と念を押した神崎は、左足を引きずるようにたどたどしい動きで自分の席へと向かい、周りのクラスメイトを睨みつけたあと、席に着いた。
その動作もぎこちない。
(((((心配だ…)))))
皆、口にはしないが、ほとんどの生徒に心配される神崎だった。
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