リクエスト:お兄ちゃんだって怒ります。
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翌日、HRが始まる前にオレは城山の席に近づき、机に色んな種類のリボンを並べた。
「因幡…?」
これは、と言いたげに席に座ったまま城山がこちらを見上げる。
「花澤に頼んでもらってきた…」
昨夜メールで花澤に「城山に似合うリボンが欲しい(´・ω・`)」と相談したところ、「ウチに任せるっス!(‘◇’)ゞ」と返信をもらい、朝渡されたのがコレらだ。
まさかこんな大量に持ってくるとは思わなかった。
「オレはやっぱり、黄色が似合うと思うなー」
「オレも」
黄色のリボンを手に取った夏目にオレも同意して頷く。
すると、フッと笑った城山は、夏目の手からそれを受け取り、「もらおう」と言って結びだした。
やはり城山はこっちの髪型のほうがしっくりくる。
「大事にする!」
「おお~、城山復活ー!」
キメ顔をする城山に、オレと夏目は拍手を送った。
「余ったリボンは…、花澤に返すか」
たくさん持ってきてもらって悪いけど。
そこで夏目が待ったをかけた。
「せっかくだし、因幡ちゃんもリボンつけてみたら?」
「え、いや、オレはいいよそんな…」
遠慮しようとしたところで、後ろから肩をつかまれた。
「因幡先輩もつけましょーよ! 絶対似合うっス!」
こちらに耳を傾けていたのか、花澤が食いついてきた。
「うわぁっ! 髪乱すなぁっ!!」
夏目も協力し、あっという間にピンクのリボンで短いツインテールにされてしまう。
「因幡先輩パネェーっ!! 写メ撮っていいっスか!?」
「オレもオレも!」
花澤と夏目がケータイのカメラを構えたので、オレは「やめろ撮るなっ」と抵抗する。
そこで背後からシャッターの音が聞こえて振り返ると、頬杖をついたまま寝ている神崎の前髪を赤のリボンで結び、姫川が写メを撮っていた。
いつの間に。
神崎は何も知らずに「くかー…」と口を半開きに居眠りしたままだ。
起きればブチ切れているだろう。
「姫川、さっきの写真あとでオレのケータイに送ってくれ」とオレ。
「オレもーっ」と夏目。
「ウチもウチもっ」と花澤。
「お、オレも!!」と城山。
おまえはケータイ持ってないだろ。
指摘すると、「現像して、オレにくれ!!」と力強く頼んだ。
「バカが。誰がやるかよ。各々で撮れ」
しっしっ、と手を払う姫川に対し、オレ達はもちろん抗議する。
「おまえの画質の方が綺麗なんだよ!」とオレ。
「ずるいよ姫ちゃん!」と夏目。
「ケチー」と花澤。
「姫川そこを頼む!!」と城山。
「泣くほど欲しいか城山」と姫川。
声が大きかったのがいけなかったのか、そこで神崎が「んあ?」と目を覚ました。
そこでちょうどHRの時間になったので、早乙女が教室に入ってくる。
「神崎、イメチェンか?」
早乙女は自分の前髪を指さして神崎に教えると、神崎は前髪のリボンに触れ、ゆっくりと周りを見回し、ケータイを構えたオレ達を視界に入れた。
「………おまえら…、ちょっと話がある」
このあと、オレ、夏目、花澤、姫川、城山はツインテールのまま1日を過ごすこととなった。
城山もそうだが、神崎を怒らせるのもよくない。
非常に。
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