リクエスト:持ち物検査を始めます。
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教室にボロボロの状態で戻って来た、石矢魔生徒。
「なんでブラックベル坊がいたんスか?」
古市は飛散したカバンの破片をかき集めて教室に戻って来た。
教卓の前に立つ早乙女の頭の上には、疲れて眠っているブラックベル坊がのっかっていた。
「どうも最近遊び足りなかったらしくてな…。鬼ごっこがしたかったようで、「鬼ごっこ」を隠れながら逃げるものだと思ってたようだな」
「オレのカバン、ただの隠れ場所に使われたってことですか!?」
責任もなにも感じていないかのように淡々としゃべる早乙女と気持ち良さそうに眠るブラックベル坊に納得できず、古市は思わず席から立ち上がってつっこむ。
「ガキのお守くらいしっかりしろよ…」
キャンディーを舐めながら呆れるように言う因幡。
「で、カバンには結局なにが入ってたんだよ?」
隣の席の神崎が古市に尋ねる。
「……真っ黒なデスノートになりました…」
古市は涙を流しながら、見事に真っ黒な雑誌を取り出した。
「…それは?;」
「もういいんです。なにも聞かないでください…」
このままだと古市が真っ白な灰になりそうだ。
(((((古市のことだから…、アレかな…)))))
クラス全員が雑誌の内容を想像してみる。
ほとんどその想像は一致している上に正解していた。
よほど読むのを楽しみにしていたのか、「わざわざ並んだのに…。オレのGカップ…」と魂が抜けそうなため息混じりの呟きが聞こえたが、女子は引くだけで酷な言葉をかけなかった。
「色々残念な奴だな…、ホント…」
因幡はぐるりと目線を上に向けて呟くように言った。
男子面々は、それでこそ古市、と頷いている。
「これも没収な」
早乙女は平然と古市からそれを取りあげた。
「没収したものは放課後自分で取りにこい。いいな」
気付けば昼休み。
騒がしく長いHRが終わった。
誰もが脱力して机に伏した。
放課後。
「真ん中のページはなんとか…!! 目を…っ、細めれば…っ!!」
焼けた雑誌に目を凝らし、ひとり奮闘している早乙女の姿が目撃された。
.END