リクエスト:母をたずねて。
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その後も、追ってきた因幡を振りきって撮影を続けるコハル。
付き合わされるたびに、神崎と姫川は血を見た。
“……………”
神崎の電話越しの因幡は無言だ。
「…電話かけてきたんなら声出せよ」
無理もない。
こちらはタクシーなどの乗り物を使っているのに、因幡はずっと走りっぱなしだ。
「おまえもタクシーで追いかけてくればいいだろ」
“……オレの携帯とともに…”
「うわー…」
娘の携帯とサイフを持って行って、そんなに追ってこられるのが嫌か。
コハルはキャリーバッグから次に着替える服を嬉々とした様子で選んでいる。
「あの人も元気だなぁ…。あ、今、公園の噴水のところ」
「神崎、ちょっと替われ」
横から姫川が神崎の携帯を取り上げる。
「あ、おい」
姫川は構わず耳に当て、電話越しの因幡に言う。
「因幡、これからオレが言うところに行け。先回りだ」
“先回り?”
姫川は声を潜めて場所を指定したあと、電話を切った。
「先回りって…、オレ達場所も告げられずに連れ回されてんだぞ」
「オレはもう、あの女のことは学習したつもりだ」
「は?」
バシャアンッ!
次の瞬間、神崎は胸倉をつかまれ、そのまま背後の小さな噴水に叩きこまれた。
何事かと驚いたコハルは服を片手にこちらに駆けてくる。
「どうしたの!?」
「ああ、神崎が落ち…」
すると、水面から神崎の手が伸び、姫川の手首をつかんで引っ張りこむ。
バシャアン!
再び大きな水しぶきが上がる。
「なにしやがんだてめぇ!!」
水面から上半身を起こした神崎は、姫川の胸倉をつかんで水面から引っ張り出し、睨みつける。
「ちょ…、2人とも…」
喧嘩が始まりそうなので止めに入ろうとしたとき、
「神崎…」
「!!」
いきなり姫川が神崎を抱きしめた。
「!!?」
突然のことに、神崎がフリーズする。
同じくコハルも。
(濡れそぼった2人に、(怒りで)震える神崎君を抱きしめる悲哀の表情(に見える)の姫川君…!!!)
「おま…」
言葉を発そうとしたとき、姫川の顔面が近づいてくる。
(これだわっ!!!)
アイディアとともに吐血(鼻血)がスパーキング!!!
コハルは服を握りしめたままその場に倒れた。
それを見た姫川は神崎の体を離し、息をつく。
「ふぅ…、冷や汗かいた」
「な…」
神崎はまだ理解が追いついていない様子だ。
「バカ、演技だ演技。ポイント高いほど過剰に反応するんだよ。…ちょっとやりすぎたけどな。うわ…、絵じゃとてもお見せできねぇ…」
「このために噴水に叩きこんだのか」
「濡れた方が色気でるかな、と思って。…よっ、水もしたたる」
ゴッ!
姫川が言いきる前に殴る。
「…っ、なにす…っ」
「死ねぃ!!」
ついでに背中を蹴り飛ばす。
「なに怒ってんだよ!」
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