リクエスト:母をたずねて。
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苛立ちを隠せない因幡は言葉を続ける。
“シメ切近いってのにいなくなりやがって! アシさん達、まるで亡霊みたいになってるし!”
“先生ェ…、このトーンどこですかぁぁ…”
“先生ェ…、編集の方から催促の電話がぁぁ”
電話越しにアシスタントのどんよりとした声が聞こえる。
“神崎! 聞いてるか!?”
返事を返さない神崎に因幡が怒鳴り、はっとした神崎は引きつった笑みを浮かべ、目の前のコハルを見つめながら答える。
「……今、オレと姫川と一緒だけど…」
“え?”
「おふくろさん」
“はあ!!?”
「異常ににこやかにこっちを見てるぞ」
“場所どこ!? 今行くから取り押さえといてくれ!!”
(てめーの母ちゃんは指名手配犯かっ)
神崎は場所を指定し、電話を切った。
「それで…、相談に乗ってほしいのは…」
「って続けるのかよっ!!」
「娘が探してるって流れ聞いてたか!?」
神崎に続き、姫川もツッコんだ。
「だから相談に乗ってもらって、さっさと移動しましょ」
相談に乗っている前提だ。
「その相談って? それが原因で家出したのか?」
(娘ならまだわかるけど、母親が家出って…)
姫川がそう呆れていると、コハルは「姫川君、神崎君…」と真剣な面持ちで続ける。
「モデルになって」
「「お断りします」」
即答した2人は立ち上がって出て行こうとする。
その前に、コハルの瞳から涙が浮かびあがり、大泣き寸前なのを見て、2人は即座に座り直した。
「わかりました!」と神崎。
「短く済ませていただけるなら!」と姫川。
「ありがとうっ」
すぐに笑顔を取り戻したコハルに、危機を回避した2人。
背ける顔には早くも疲れがにじみ出ていた。
((因幡家最強…))
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