ただの日記には書ききれません。
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新しい自分は好きだった。
けど、周りの奴らはそんなオレが嫌いだった。
小学校の頃、靴がよくなくなった。
新しい靴を買ってもらってからは諦めずに探してた。
前向きだったから、宝探し感覚で。
「どこ行ったんだ…」
今もそんな感覚で探してるわけで。
あ、隠されたわけじゃないぞ。
石矢魔はそんな陰湿なことはしない。
聖石矢魔のサッカー部が飛ばしたボールが帰宅しようとしたオレの足下に転がってきて、蹴ったらついでに靴も勢いよく飛んだだけだ。
運悪く、茂みに落下。
かれこれ30分以上探してる。
「なにやってんだ? サイフか?」
そこに通りかかったのは神崎組。
事情を話すと、「ドジだな」と笑われ、「しょうがねえな」と探し始めた。
オレは「いいからいいから」っつってんのに。
そこに姫川も通りかかった。
「そろってなにしてんだ? しょぼいサイフでも落としたか?」
そしてなぜか姫川も参加。
「オレが先に見つけんだよ」
張り合いに持ち込んできた。
今度はレッドテイルの面々も。
「サイフでも落としたの?」
「じゃあ見つけたら山分けっスね!」
「違う」と言っても参加。
「先輩達なにしてるんスか?」
「サイフか? 探してやるからコロッケ奢れよ」
「ダ」
「たかる気満々でサイフって決め付けるのやめろ、全員」
そしてなぜ正門と逆方向の道通ってくるんだよ。
それから5分後。
「ダーッ」
ベル坊が茂みの中からオレの靴を発見し、誇らしげに掲げた。
「おお、あったぞ! でかしたベル坊!」
「先に見つけられちまった」「よかったねー」「そこさっき捜したぞ」と声が上がる。
周りを見ると、みんな、葉っぱひっつけたり、髪がぼさぼさだったり。
特に姫川の被害が酷く、葉っぱだらけのリーゼントに神崎と一緒に笑ってしまった。
「ダッ!」
「「「「あっ!!」」」」
ベル坊が勢いよく反対の茂みに投げた。
赤ん坊にしては見事なフォームだ。
「ダブ~♪」
またやりたいらしい。
再び捜すはめになっても、みんなは捜してくれた。
「今度こそオレが見つけてやるぜ」
「見つけたらヨーグルッチな」
つまらないものだと思ってた。
宝探しなんて。
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