15:魔界に来ちゃいました。
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神崎達もまた砂漠に落とされ、必死に砂漠の魔獣から逃げ惑っていた。
陣野は最初、神崎と出会い、次にピラニアに襲われかけていた城山と再会を果たし、因幡達と同じく出口と仲間を捜していた。
歩きまわっているうちに、洞窟に到着し、城山を先頭に先を進んでいくと、人と会うことができた。
「おい、そこのあんた!」
「待て! 神崎!!」
陣野はすぐに気付いた。
普通の人間ではない、と。
相手は尖った耳と鋭いキバ、そしてサソリのような尻尾を持っていた。
うかつに近づいてしまった神崎は、いきなり呼びとめた陣野に振り返り、その隙を突かれ、背中に尻尾の針を刺されてしまった。
「っ!!」
「神崎さん!!」
城山が助けに向かうと、神崎を刺した男はニヤリと気味の悪い笑みを浮かべ、仲間を呼んだ。
「愚かな人間が侵入してきた!! 今日の生贄に決まりだ!!」
物騒なことを言って、大群でやってくる。
神崎達は元来た道を逆戻りするが、巣穴を熟知している連中に追い詰められ、挟み撃ちにされようとした。
そこで城山は壁のわずかな隙間を見つけ、息を弾ませる神崎をそこに押し込んだ。
「神崎さん! ここから逃げてください! 陣野も! 早く!!」
陣野も神崎に続いて隙間を通り抜ける。
「城山! てめーも早く来い!!」
神崎はそう叫ぶが、陣野は通り抜けた時、気付いてしまった。
自分のガタイでやっとで、それよりも一回り大きい城山では絶対ムリだと。
城山はすっかり奴らに囲まれ、それでも神崎達を逃がそうと暴れた。
「早く!! 陣野! 神崎さんを連れて行ってくれ!!」
「城山ぁっ!!」
神崎は助けに行こうとしたが、陣野はそれを阻止し、神崎を肩に担いでその場から離れた。
神崎の体に毒がまわり、今の状態に陥ったのはそれからすぐのことだった。
あれから因幡達と再会するまで2時間が経過していた。
「それで…、城山は連れて行かれたのか…っ」
黙って聞いていた因幡はぎゅっとコブシを握りしめた。
「ああするしかなかった。相手は毒持ち。オレと神崎の2人じゃ不利だ」
「そりゃそうだけど…。…マジで殺されてたらシャレになんねーよ…」
相沢の言葉に、因幡は余計に焦りを覚えた。
唾を飲み込み、嫌な汗が頬を伝う。
「……だったら…、早く…行くぞ…っ」
「!」
「神崎…!」
神崎は壁を支えにゆっくりと立ち上がり、歩きだした。
「神崎、やめておけ。城山より先におまえが死ぬぞ」
「どけよ、陣野…! 腰ぬけは引っ込んでろ…っ!」
「…バカが早死にするっていうのは本当だな」
陣野はコブシを握りしめ、神崎を殴りつけようとする。
その前に、因幡はその手首を強く握りしめて阻止し、姫川はよろめいた神崎の体を支えた。
「おまえ…ら…」
神崎も驚いていた。
姫川は神崎の腕を自分の首に回し、歩きだす。
「オレも陣野に一理ありだが、見殺しにするほどゲスじゃねーんでな。頭脳派がひとりいりゃ、早死には避けられるだろ」
「おい、姫川…」
相沢も止めようとした。
因幡は陣野から手を放し、それについていく。
「ここに留まってても、もう先なんてねーよ。砂漠に戻るのも絶対御免だし…、だったら、そのサソリ人間に問いただすしかねーだろ。不良らしく、脅しでな」
中指を立てて見せ、3人はそこから出て行く。
「因幡…」
「……庄次、オレ達も行くぞ」
「…はぁ。結局そうなるんスね」
第一目的は、城山の救出に変更。
.To be continued