15:魔界に来ちゃいました。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
結局、因幡が先頭になり、後ろに姫川、相沢がついてくる。
「ドラクエの主人公とか、ジャンケンなくても絶対先頭だから、度胸あるなって思う…」
「痛てっ、止まんなっ。暗いから見えにくいんだよ」
携帯の明かりを頼りに進むが、3人分の携帯の明かりでは物足りない。
そのせいで足下の岩の突起に気付かず転びかけたり、肩をぶつけてたりしてしまう。
「松明とかあればいいのに…」
「その前におまえら2人、グラサン外せっ;」
肩越しに2人にツッコんだ因幡だが、
「!」
突如襲った悪寒に、思わず右脚を上げ、顔面目掛け突き出されたコブシを防ぐ。
「「!?」」
姫川と相沢は何事かと驚いた。
「誰だ!?」
姫川は携帯のライトを因幡の目の前にいる人物に当てた。
「おまえ…、陣野!?」
「! 因幡か? それに、姫川と庄次…」
「無事だったのか」
陣野はコブシを引っ込め、因幡も足を下ろした。
「すまない…。てっきり、奴らかと…」
「奴ら?」
尋ねる相沢に、陣野は背を向け、「ついてこい」と言った。
「携帯は閉じろ。…大丈夫だ、オレは目が慣れた」
3人は言われるままに携帯を閉じ、陣野についていく。
途中で、人一人通るのがやっとな脇道に入り、目が暗闇に慣れてきた頃に、猫の額ほどの空間にたどり着いた。
「!!」
そこにいたのは、ぐったりとした壁に背をもたせかけて座った神崎の姿だ。
「神崎!!」
ただならぬ様子に因幡は神崎に駆け寄り、顔をのぞきこんだ。
息は荒く、たまに咳こみ、寒いのか小さく震えている。
「…っ、酷い熱だ…」
神崎の額に触れた因幡は、その熱さに思わず手をひっこめた。
「おい、どういうことだ!?」
姫川は陣野の胸倉をつかみ、壁に押し付けて怒鳴りつける。
「静かにしろ」
「ここに来る前はピンピンしてたろが!!」
ゴッ!
「っ!」
陣野のコブシが姫川の眉間に打ち込まれた。
一瞬意識が飛んだ姫川は壁に背中をぶつけ、ずるずると地面に座り込む。
「陣野!!」
因幡は立ち上がり、陣野を睨みつける。
「因幡、おまえも沈めるぞ。…静かにしなければ奴らがくる…」
「だから…っ、その奴らってのは…? 神崎がこうなったのも…、関係あんのか?」
姫川は頭を振り、ゆっくりと立ち上がる。
殴られて頭が冷えたのか、その声色は落ちついていた。
「…最初に言っておく、神崎はその「奴ら」の毒を受けた」
因幡と姫川がなにかを言う前に陣野は続ける。
「だから、怒鳴るな。奴らに気付かれる以前に神崎の体に響く」
最後の言葉に、ようやく因幡と姫川は静かになった。
.