13:夏のサバイバル。
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その夜、因幡達は、因幡と夏目がヤシの実を採取している途中で見つけたほら穴で野宿をすることとなった。
カラッポのヤシの実に焚き火の炭を移し、ほら穴で再度枯れ葉などを燃やして火を復活させた。
焚き火の周りを囲うように因幡達は就寝する。
助けが来るのはいつになるのか。
そんな不安はあったが、頭を抱えるほどのことでもなくなっていた。
夜が更けてきた頃、冷たい風に因幡は身を起こした。
神崎達は水着姿に関わらずいびきをかいて眠っている。
「風邪ひきそう…」
欠伸をして再び寝ようとしたとき、背後を通過した小さな影に気付き、振り返った。
「…ウキッ」
「……………」
サルだ。
額に傷があり、どこかで見たことあるような顔つきだ。
「!!」
そのサルの手には因幡のデジカメが握られていた。
「オレのデジカメ…!」
因幡は反射的に手を伸ばしたが、サルはその手をかわし、因幡の頭を踏み台にしてほら穴から出て行った。
「キキキッ!」
サルは挑発的にべーっと舌を出し、尻をペンペンとしてから逃げて行く。
「待てごらぁ!! エテ公―――っ!!」
たとえ盗まれたものがヨーグルッチのストローだったとしても、先程の挑発に乗らないわけがない。
キレた因幡はほら穴を飛びだし、サルを追いかけた。
「う…ん…、なんだ…?」
その騒ぎに目を覚ましたのは、神崎だった。
サルは首にデジカメを下げながら次々と木の枝を飛び移って逃走する。
その途中でふと後ろに振り返ると、
「キキッ!!?」
「待てっつってんだろがああああ!!」
因幡も同じく木の枝を飛び移りながら追いかけてるではないか。しかも気のせいかその背後には黒ヒョウが見えるほどの迫力だ。
捕まったら食われる、と野生の本能が訴える。
サルは慌てて指笛を吹いた。
「!」
因幡は目の前を走るサルの周りに4つの小さな影を見た。
4匹のサルだ。
どれも見たことがある顔つきだ。
サングラスや眼鏡までかけてるサルが混じっている。
「…どこかでお会いしました?」
「「「「キキキ―――ッ!!!」」」」
全員揃うと、5匹のサルは「全員集合!!」と言いたげにポーズをとった。
「空気読まねえエテ公共だな…。……あ、そっか、あいつらに似てんのか」
木の枝で立ち止まり、その様子を呆れながら見つめていた因幡は、例の空気読めない5人組の存在を思い出し、手を鳴らす。
その頃、神崎はその場にいた全員を起こし、因幡の戻りが遅いことを伝えた。
「…そのうち戻ってくるんじゃねーか?」
姫川の言う通り、そう思ってしばらく待ってみたが帰ってくる気配が一向にない。
「もうすぐ朝だし…」
そう言う夏目の顔にも不安の色が浮かんでいる。
「大体、なんで因幡はこんな時間に外へ…。修行か?」
「そこまで熱いか? あいつ…;」
城山の言葉に、神崎がツッコみ、立ち上がる。
「ちょっと探してくるわ」
「オレも行きます!」
続いて城山も立ち上がり、夏目もあとに続く。
「姫ちゃんはどうする?」
姫川はその場に寝転び、背を向けた。
「オレは残る。てめーらと違って体力バカじゃねーんだ。休ませろ」
それを聞いた神崎は肩越しに振り返り、睨みつける。
「ほっとけよ、夏目。坊っちゃんの体力なんてたかが知れてるだろ」
それだけ言ってほら穴を出て、「夏目は城山と一緒に森を捜してくれ」と手分けして捜すことにした。
神崎達の足音が遠のき、乗組員達も探しに行こうかと相談し始めたが、姫川は「ムリすんな」と声をかけて止めた。
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