13:夏のサバイバル。
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ザッパ―――ン
砂浜に並ぶ因幡達は果てしない海の向こうを茫然と眺めていた。
しばらくして因幡は立ち上がり、「注も―――く」と全員の視線を集め、パンッ、と両手を打ちならす。
「よしっ、現状を把握しよう。クルーザーが横転したあと、オレ達はこの島に流れ着いた…。誰もいない無人島だ。…間違いないな?」
全員は手を上げて「間違いありませーん」と答える。
「帰るための携帯は、みんな壊れるか水没。…そういうことだな?」
全員は手を上げて「そういうことでーす」と答える。
「ここでみなさんの持ち物確認しまーす」
因幡、デジカメ。
神崎、ヨーグルッチ。
夏目、なし。
城山、夏目に同じ。
姫川、くし、ポマード、スタンバトン、浮輪。
乗組員A、虫眼鏡。
乗組員B、娘の写真。
乗組員C、双眼鏡。
「……………」
持ち物を確認した因幡は、近くのヤシの木に手をつき、項垂れた。
「絶望的だ…。あんなもんで生き残れるかよ!! 帰れるかってんだよ!! どうすんだよこれからよォ!!」
突然怒り出し、目の前のヤシの木を蹴り、ヤシの実を落とす。
「落ち着け」
姫川は因幡の肩をつかんで「どうどう」となだめる。
「全員の不安代表だね、因幡ちゃん;」
「つうか姫川、今すぐ浮輪使って陸行って助け呼んでこいよ! てめーの浮輪だろが! クルーザーから脱出するときひとりで浮輪で逃げやがって…」
そう言う神崎に、姫川は「ああ?」と振り返る。
「リーゼントが濡れちまうからだ!! 逃げてねえだろ!!」
「リーゼントより携帯守れやコラ!!」
つかみあいを始める2人に、因幡は「やめろ!」と止めながらも写真は撮る。
「とにかく、助けが来るまではここでうまくやってかないと…」
「「チッ」」
それぞれの担当はくじで決めた。
結果、神崎と姫川が魚調達担当、因幡と夏目が食べられる山菜・果物担当、残り城山と乗組員たちが集合場所の砂浜で焚き火担当となった。
神崎と姫川チームは、細長い枝で釣竿を作り、2人並んで岩場で釣りをしていた。
「こんなもんで釣れるのかよ」と姫川。
「黙っとけ。逃げるだろ」と神崎。
ちなみに、エサはミミズ。
ルアーはピアスの針を使っている。
夏目と因幡チームは、無人島の森の中を進みながら食べ物を捜していた。
「このキノコ…食えるかも…」
「それはやめといた方がいいよ。なんか毒々しい色してるし…」
「じゃあこの草は?」
「うーん…。心なしかドクロが描いてあるように見える…;」
「じゃあこのヘビは?」
「逃げて因幡ちゃん!!;」
キングコブラ登場。
夏目は因幡の背中を押してその場から逃げた。
(ついてきてよかった…。放っておいたら、毒の混入で殺されかねない…)
「ここは無難にヤシの実とか…」
「え―――」
まるで保護者である。
神崎と姫川チームは、まだ魚を待っていた。
「…かからねーな」
「……………」
「神崎…」
「……………」
「…神崎? おまえ…」
姫川は神崎の顔を覗きこみ、アゴに手をかけた。
「………Zz」
「寝んなっ!!!」
胸倉をつかんで岩場から海に叩き落とした。
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