13:夏のサバイバル。
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天気は真っ青な快晴。
集合は現地、時間は11時。
さすがは夏休みというべきか、この時間でも海水浴場は人であふれかえっていた。
そこに、水着姿の神崎達と、いつものアロハシャツの姫川は顔を見合わせ、フリーズしていた。
少し遅れてきた因幡はおそるおそる声をかける。
「お…、お待たせー…」
ギロリ、と2人は同時に因幡を睨みつけ、互いを指さした。
「「こいつと一緒だなんて聞いてねえよ!!」」
「ひ…っ」
因幡は夏目と城山の後ろに避難する。
「い…、言ったら来ねえだろが…」
「ああ、来ねえよ!」
「なにが悲しくてこいつと一緒に海で遊ばねえといけねーんだ!」
責められる因幡は小人のようにちっちゃくなる。
そこで夏目が「まあまあ」となだめた。
「いいじゃん、来ちゃったものはさ。楽しもうよ2人とも。どうせヒマだったんだから」
「ヒマって言うな」と神崎。
「ためてたジャンプを読むところだったんだよ」と姫川。
神崎と因幡もその予定だったので複雑な顔になる。
ちっちゃくなった因幡を見た2人は、ため息をついた。
「おい、もう怒ってねえから」と姫川。
「仕方ねえから、一緒に遊んでやる」と神崎。
因幡はパッと輝いた顔をし、元の大きさを取り戻した。
場所は1時間前に城山が確保してくれていた。
海の家からも近く、海もすぐ目の前だ。
荷物を置き、神崎は持ってきたビーチボールを膨らまし始め、城山はビーチパラソルを開き、夏目は日焼けどめを塗っている。
姫川は泳ぐ気がないのか、ビーチチェアーに寝転んだ。
因幡は「あいつ、泳がねえのか?」と横目で見ながら服を脱ごうとする。
「おまえも下に着てきたのか? まさか普通の女子の…」
城山の問いに、因幡は「フフン」と鼻を鳴らした。
「このオレがそんなチャラついたモン着るわけねーだろ。サーファーとかが着る、あの水着だ」
「なんて色気のねぇ…」
想像した姫川はそう言いながら、ペットボトルの茶を口に含んだ。
「ぶっ!!」
しかし、服を脱いだ因幡の姿を見て盛大に噴き出した。
同じく神崎もそれを見て、ビーチボールを落とす。
「………っ!!!」
純白のビキニだ。
「ビキニ…!」
「しかもプロポーション良し…!!」
他の遊泳者達も、どう見ても100%女の因幡に釘付けとなっている。
「見るんじゃねえええええ!!」
因幡は神崎と姫川の顔面に持ってきていたスイカをぶつけた。
城山と夏目は巻き添えを食らわないようによそ見している。
「うそっ、いつ!? オレちゃんと着てきたのに…!」
だが、犯人は間違いなく母親だ。
母親が手渡した水着の中にコレが入ってあったのだから。
しかし、朝に数回顔を合わせたくらいで、いつの間に着せられたのかはまったくわからない。
因幡は羞恥で顔を真っ赤にしながら、急いでTシャツを纏った。
「やっぱりついてきて正解だね」
夏目は必死に笑いを堪えていた。
「夏目…、いつか因幡に殺されるぞ」
その隣で見ていた城山は呆れている。
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