13:夏のサバイバル。
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因幡っス。
ようやく退院できて、ただいまマイルームで、ためてたジャンプを読んでます。
黒狐の件が落ち着いたのも束の間、神崎達は今、東邦神姫と男鹿とのことでモメてるらしいんで、面倒事を避けるためにこうして夏休みを活用して避難しているところです。
ぶっちゃけ、ピリピリしている奴らに近づきたくありません。
病み上がりなもので。
無理をしないようにと医者に言われてるわけですし。
だから、親父も姉貴も春樹もいない間、ゆっくりさせてもらってます。
ただひとり、この家にはもうひとりの住人がいます。
「桃ちゃん…」
「!!」
ジャンプのページも残り後半に差しかかったところで、扉の間からそのもうひとりの住人が覗きこんできました。
生きてる人間なのですが、額に熱冷ましを貼り、頭上にブロックの氷をたくさん入れた袋を載せ、蒼白の顔で今にも死にかけています。
「…どうしたの母さん、ノック忘れてるし…;」
そう、現れたのは、オレの母親・因幡コハル。
女性向けの漫画を描いている漫画家です。
今、1階でアシスタントの方たちと修羅場の真っ直中なのに、顔にトーン貼り着いたままここに来たわけです。
母は静かにオレに手に持っていたものをそっと手渡した。
水着の入ったカバン。
その上にはこれ見よがしに防水のデジカメが載せられている。
「……母さん…?」
「桃ちゃん…、海に行ってきて」
「………は?」
死ぬ一歩手前のような笑顔で、そう言われてしまいました。
断り方を教えてください。
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