11:蹴り、つけました。
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バキッ!
「ぐあ!」
神崎の右側頭部に、豊川の振るった鉄パイプが直撃する。
「神崎!」
姫川はスタンバトンを豊川の背後目掛けて振り下ろしたが、後ろを向いたまま鉄パイプで受け止められた。
だが、それも狙いのうちであり、姫川は電流を流すスイッチを押す。
「!?」
しかし、豊川は平気な顔をしている。
肩越しに姫川を見、ほくそ笑んだ。
「てめーの手口も知ってんだよ。これは、絶縁体だ」
ゴッ!
「がはっ!」
姫川は、鉄パイプの尖っていない後方で腹を突かれ、その場に前のめりになった。
豊川は姫川が地に膝をつく前に、その左側頭部に回し蹴りを打ちこむ。
ガン!
「ぐ!」
姫川は横に吹っ飛び、目眩を覚える。
「…さっきの攻撃が尖った方だったら…、てめぇ、死んでたよ」
「ぅ…」
神崎は立ち上がろうとしたが、先程も背中や腹を強打されたせいでうまく立ち上がれない。
豊川は姫川を見下ろし、冷たい眼差しを向けながら言う。
「まだやる気か…? 根性あるな、石矢魔の不良って…。けど…、おまえらもう終わっとけよ。あの女のためになにをムキになってんだ? あいつと出会って、まだ日も浅ぇんだろ?」
「…なに勘違いしてんの、おまえ…」
姫川はうつ伏せに倒れながら、くつくつと笑った。
豊川は片眉を吊り上げる。
「勘違い?」
「ああ。オレらは別に因幡のために動いちゃいねえ」
そう答えたのは神崎だ。
ようやく立ち上がり、首を傾け、コキン、と鳴らした。
「…じゃあ、おまえらはなんのために?」
2人は挑発的な笑みを浮かべ、同時に答える。
「「てめーがムカつくからだ」」
豊川の額に青筋が浮き出る。
「サンシタ共が」
豊川は鉄パイプを持ち変え、尖端を姫川の顔に向け、振り下ろした。
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