09:独りぼっちじゃありません。

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「ぐ…っ」


河原で暴れていた因幡達と黒狐達だったが、因幡達は劣勢を強いられていた。

何人か倒したものの、黒狐の精鋭ぞろいに城山、神崎、姫川に続き、因幡もその場に倒れ伏していた。

神崎はギブスまで壊されている。


うつ伏せに倒れた因幡は歯を食いしばって神崎達に手を伸ばすが、その手は豊川に踏まれる。


「うぐ!」

「ははっ、これはデジャブっていうのかな…。確かになかなか頑張る奴らだったけど…、ここまでだな」

「……っ」


因幡は豊川の持っている鉄パイプの先端をつかんで反撃しようと試みるが、


「逆らえばこいつらは半殺し」

「…!」


その言葉に戦意喪失し、鉄パイプを放した。

豊川は鼻で笑い、因幡の腹を蹴りあげ、携帯を耳に当てる。


「…はい…、ええ…。全員揃いました」

「…!!」


その言葉はあの時の言葉と重なった。


「「ゲーム開始だ」…。おい…」


部下達が持ってきたのは、底の空いたドラム缶だった。

中に油を注ぎ、火をつけ、3本の鉄パイプを放りこんだ。


「「またあのゲームをしようよ」だってさ。ルールは知ってんだろ?」

「て…め…!」

「うん…、わかった」


豊川は因幡の目の前にしゃがみ、自分の携帯を因幡の耳に押し当てた。


“黒い狐に噛みつかれた、かわいそうなウサギさん。…キミの全部を食らい尽くしてやる。友達も、居場所も…”


「稲荷ィ…!!」


歯を噛みしめ、電話越しの男の声に唸る。


「そろそろ頃合いだな…」


豊川は立ち上がり、火箸でよく熱せられた鉄パイプを取り出し、神崎、城山、姫川の前に転がし、軍手も放った。


「ルールを説明しまーす。「この、よく熱せられた鉄パイプを…、桃ちゃんか自分に当てるかの2択!」だってさ。「クリアできたら、解放してあげる」そうだ」


豊川が左手でピースをつくる。


「「ちゃんなら、どこでもいいよ。ただし、おまえらが自分でやるなら、当てる部分はボクが決める」…だってさ」


あの時とまったく同じだった。

神崎達は放られた赤い鉄パイプを見つめた。


「カウントダウン。…5…4…」


因幡は耐えがたい悔しさと怒りで胸がいっぱいになり、目をぎゅっと瞑る。


「…3…2…」


因幡の心臓が早鐘を打つ。

誰が最初に鉄パイプをとったのか。


「……1…」


辺りはシンと静まりかえっている。

気になった因幡は目を開き、その光景を見る。


誰も、鉄パイプをとっていない。


「…おまえら……」


思わず因幡の口から震えた声が出る。

豊川は明らかに面白くなさげに舌うちし、足下に唾を吐き捨てた。


「石矢魔の不良が…怖気づいたか? ああ?」


豊川は近くにいた神崎に近づき、その鉄パイプを拾って因幡のところに戻ってきた。


「ちょうどいい。それなら最初にオレが手本を見せてやる。…こいつはもう「男」って名乗ってんだ。男前にしてやるよ」


熱せられた鉄パイプの先端が因幡の目先に近づいた。


「っ!」


ジュゥ…ッ!


皮膚が焼ける音が聞こえた。

しかし、因幡は熱さも痛みも感じなかった。


「…!!?」

「ぐぅ…っ!」


鉄パイプの先端は、神崎の手でつかまれ止められていた。


「神崎…!!?」

「か、神崎さん!」


城山も神崎の行動に驚いて声を上げる。


「てめ…、素手で!?」

「放せ神崎! 手が…!」


因幡は焦りながら叫んだ。

神崎は痛みで顔をしかめながらも、その手を放そうとはしない。


「邪魔してんじゃねーよ! おい!」


豊川は神崎の体を踏みつけたあと、「しつけーぞ!!」と手を伸ばし、口と耳を繋ぐチェーンを引っ張った。


ゴキィッ!!


次の瞬間、豊川の顔に神崎のコブシがめり込み、豊川の体は大きく吹っ飛んで川に落ちた。

その場にいる全員が唖然となる。


「引っ張んじゃねーよ、クソヤロー」


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