09:独りぼっちじゃありません。
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姫川のスタンバトンが豊川の鉄パイプを受け止めた。
「なんだてめー…」
バチィッ!
「ぐあ!」
スタンバトンのスイッチを押し、電流が流れる。
咄嗟に豊川は鉄パイプを放したが、少量の電撃を食らってしまい、その場に尻餅をついた。
黒狐のメンバーは突然現れた男に得物を構える。
「てめーこそ、なんだ? オレの縄張り荒らしやがって…」
「姫川! 逃げろ! おまえでもこの数じゃ…」
すると、姫川は懐に手を入れ、札束を取り出した。
「…オレ達を買収するつもりか…?」
唸る豊川に、姫川は「いーや?」と嘲笑する。
「おまえらがあの「黒狐」ってんなら、簡単に買収される奴だとは思ってねーよ…」
姫川は取り出したそれを放り投げ、ばらまいた。
空中に金が舞うと、出入口からフードを被った男達が武器を手に入ってくる。
「こいつら足止めしとけ! 長時間足止めできた奴ほどさらに3倍出してやる!!」
「うおおおおお!!」
「金えええええ!!」
辺りが戦場と化すなか、姫川は因幡のロープを切って肩を貸し、外へと連れ出した。
因幡の体に負担をかけないように気づかいつつ、早足で出口へ向かい、空の下へと出る。
「金はこういうふうに使わねーとな」
日当たりへ一歩踏み出した姫川は言った。
因幡は背後を振り返り、そこが無人の雑居ビルであることを知る。
「おまえ…、よくオレの居場所がわかったな…」
「部下共が駐車場によそ者がいるって報告してきてな…。別に放っておいてもよかったけど、拉致られた奴のポケットから、こんなもの落ちたらしい」
姫川はズボンのポケットからポップキャンディーを取り出し、因幡に突きつけた。
「あ…、オレのアメ…」
「まさかと思っていたが、当たりだったようだな…。…とりあえず今は病院だな」
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