91:しっかりつかんでください。
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幼いなごりは、暗い部屋の中で膝を抱えて目の前のパソコンの画面を茫然と眺めていた。
隣には、黒いウサギ―――クロトが座っている。
マウスとキーボードを操作し、画面の中にいる自分自身を動かした。
シュミレーションゲームのように。
「…!」
背後の扉が鳴る。
どん、どん、と。
ノックにしては荒い。
「さっきからうるさいな…」
「気にするな。―――直に静かになる」
クロトは赤い目で扉を見つめ、無駄な足掻きだと嘲笑うように口端をつり上げ、なごりに視線を戻した。
「わかったよ…、クロト」
「そうだ…。なごりは良い子だな」
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