88:あなたにはいますか?
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「因幡…」
神崎は震える手で、涙を流したまま笑っている因幡の頭を撫でた。
胸の中心を、氷剣が貫いてるというのに。
つ…、と神崎の口端から血が流れた。
背後の姫川は大きく目を見開いていた。
狙いを定められた切っ先は目前にあり、神崎の血は刃を伝って姫川の頬に落ちる。
「か…」
それ以上の言葉が出てこない。
神崎が姫川を肩越しに見る。
そして、ユキの言葉を思い出した。
“こっちが命を捨ててもいいくらい大好きな人、キミにはいるの?”
(これが…、そういうことか…)
神崎は小さく笑って静かに納得する。
「的を外したか」
ずるり、と乱暴に胸から引き抜かれる氷剣。
支えを失い、神崎の脱力した体が姫川に向かって倒れていく。
「神崎ぃぃ―――っっ!!!」
(伝えねぇと…、死ぬ前に…、こいつに……)
.To be continued