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シルバ達の視覚を通し、ジジは現状を把握する。
「―――さて、こちらも始めるとしよう…」
口元に不気味な笑みを浮かべながら、目を閉じた。
「邪魔をするな…、シロト。もう遅い…。これ以上、我に逆らえば、悲惨な結末になるのは貴様の方だぞ」
魂の引き剥がしが、始まる。
*****
「……ん?」
目が覚めた因幡は、半身を起こして辺りを見回す。
そこは、いつもの自分の部屋だ。
カーテンの隙間から朝の日差しが漏れ、重いまぶたを擦った。
頭はぼんやりとし、先程まで何をしていたのかすぐには思い出せない。
「…オレ、なんでここで寝てるんだ…?;」
一度落ち着いて整理する。
(―――確か、ジジに心臓貫かれて、なごりとフュージョンして、シロトの過去とか見ちまって……。そうだ、神崎達だって、オレの事助けに…!!)
こうしてはいられないと思い起こし、ベッドから飛び降りて自室のドアを開けた。
だが、ドアの前に立っていた人物に思わず立ち止まる。
「あら、早起きね」
ちょうど因幡を起こそうとしたのだろう。
桜がドアノブに手を伸ばしかけた状態で立っていた。
「姉貴…!?」
驚いてたじろぐ因幡に、桜はきょとんとした。
「どうしたの?」
「いや、「どうしたの?」じゃなくて…。え? なんでここに…」
「やだもう、寝惚けてるの?」
桜はクスクスと笑い、「朝ごはん食べる前に、顔洗ってきなさい」と言って階段を下りていった。
「???」
何事もないかのような、いつもの桜だ。
「おはよー」
「春樹…」
自室から出てきた春樹は、大きな欠伸をしながら因幡の横を通過しようとする。
「…何?」
凝視する因幡が気になり、春樹は立ち止まって怪訝な視線を向けた。
「……………」
そこで因幡は閃いた。
ゴッ!!
「あぶしっ!!」
躊躇なく、春樹の頬を殴りつけた。
春樹は廊下を転がり、奥の壁にぶつかる。
「……痛い」
因幡は握りしめたコブシを見下ろした。
殴った瞬間の痛みが、確かにコブシに伝わったのだ。
「オレの方が痛ぇよっ!!!」
頬を押さえながら、2度寝に入りかけた春樹はもっともなことを叫ぶ。
「なんなんだよ、兄貴、マジで寝惚けてんのか?;」
「―――今、なんつった?」
頬を擦りながら起き上がる春樹の聞き逃せない単語に、因幡は質問する。
「んあ?」
「オレのこと、なんつったんだよ」
「……兄貴、昨日のケンカで変なとこ打ったんじゃねえの? でも、無傷で帰ってきたしな…」
ブツブツ言い出した春樹。
因幡は「『兄貴』?」と嫌な汗を浮かばせ、おそるおそる自分の胸に触れてみる。
膨らみが、まったくない。
「!!?」
急いで寝間着のボタンを外し、開いてみる。
サラシのない胸は、程よく筋肉のついた平たい胸になっていた。
今度はズボンの中を覗いてみる。
「なんかあるぅ―――――っっっ!!!!」
「おふくろ!! 救急車呼んでくれ!! 兄貴が壊れた!!!」
因幡の体は、男性になっていた。
.To be continued